ドイツ最大のサッカー専門誌 - kicker日本語版

2017年03月22日

ロングインタビュー:代表引退を迎えるポドルスキ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

poldi800-1489927813
水曜日に行われるイングランド代表戦にて、代表引退試合を行うルーカス・ポドルスキ。kickerとのインタビューに応じた31歳のFWが振り返る自身の役割と、これまでの道のりについて。

kicker: ポドルスキ選手、ドイツ代表引退を目前に控え、今の思いは楽しみさが上回るのでしょうか?それとも辛さの方が上回っているのでしょうか?

ポドルスキ:両方を感じているところだね。そうあるべきだろう。ただ13年間の代表生活の中で、僕はあらゆることを経験することができたし、気持ちの整理はしっかりとできている。代表で経験したことに対する感謝の気持ちもあるし、もうこれも終わりになってしまうんだという寂しさだってあるよ。

kicker: ファンに常に愛される存在でした。どのような試合を予想されますか?

ポドルスキ:何も予想せずに楽しもうと思う。そういう性分なんでね。

kicker: 愛され続けた、その秘訣はなんだと思いますか?

ポドルスキ:自分を飾ったりしない、そういう部分を感じ取っていたんじゃないかな。気持ちに正直だったところとかね。ファンからどう感じてもらえるのか、それは僕にとってとても大切なことだからね。

kicker: スター気取りという言葉からは程遠い存在でした。

ポドルスキ:スターってなんなんだろうね?そういったことを気にしたりはしないな。僕がこれまで積み重ねてきたキャリアというもの自体、誰に対しても誇れるものだと思うね。キャプテンとかリーダーとか、そういったことを特に気にしようとは思わなかったよ。

kicker: 代表選手が、自身に意味するところは?

ポドルスキ:これ以上のものはない。子どもの頃から夢見るものだね。

kicker: これまで5回、試合の途中からではありますが、キャプテンマークをつけたことがありましたね。

ポドルスキ:全く意識しなかったといえば嘘になる。もちろん誇りには感じたし、特別な瞬間だったよ。

kicker: 代表に選出された時には常に、楽しんでいる様子が見てとれました。しかし2014年のワールドカップや2016年のユーロでは出場機会に恵まれなかったわけですが、それでも問題はなかったのでしょうか?

ポドルスキ:楽しむことは僕にとってサッカーと切っても切り離せないファクターだ。それはプレッシャーの大きさに関わらずね。サッカーを愛するものだし、むしろこれは神様からのプレゼントだと感じていたよ。だから辛さ、愛、楽しみを享受しながら練習や試合に臨んでいた。僕はピエロのようにただの盛り上げ役なんかじゃない。そんなことを書かれた時もあったね。あれは敬意に欠けるものだし、僕は常に歯を食いしばって、懸命に、真摯な姿勢で成功を目指してきた選手だよ。

kicker: ワールドカップ優勝を果たしたことによる変化は?

ポドルスキ:人間としては特に変わってはいないと思う。周囲からリスペクトを感じるのはいいことだし、それは特に海外で感じるものだ。それでさらに頑張ろうという気持ちになるものだよ。

kicker: 代表におけるピッチの内外でのご自身の役割は?

ポドルスキ:代表選手というのは、若い選手たちにとって模範となるべきものだ。でも自分に正直にならなくてはならない、普通の人生を歩んでいく必要もあるさ。

kicker: ポーランドに生まれ、2歳のときにドイツへと渡りました。ドイツを代表してプレーすることの難しさはありましたか?

ポドルスキ:選出されるからどうこうというのはなかったね。ただ今の若手は多くのものを手にしている。ドライバーやビデオ分析担当等々ね。僕の時代ではたくさんのことを自分で行う必要があったし、レヴァークーゼンとのダービーが行われるときなんか土しかピッチで試合をしたし、そもそも住んでたとこりから練習場まで、いろんな交通機関を乗り継いで片道2時間もかかったものさ。17歳の時にポーランド代表監督と会長が訪れたけど、でもそのときにはもう遅かったね。だってユースでは一貫してドイツ代表でプレーしてきていたし、ドイツ代表を決断してよかったと思っているよ。

kicker: 13年間で代表のステータスはどう変化していったのでしょうか?

ポドルスキ:バラックやカーン、シュナイダーらが去っていったことで、国内外で物足りなさがひろがっていた。そして僕たちは2004年から、一歩ずつ着実にあゆみを進んでいったんだ。それは目覚ましい結果を導いていったよ。

kicker: 水曜には代表130試合を迎えます。出場試合数では3位、得点数もドイツ代表で4番目を誇っているのですは、この結果に満足されていますか?

ポドルスキ:なんて質問をするんだ?もしも満足できないのなら、僕はどうかしているだろう。僕が経験しているものはまさに夢のようなものだと言えるさ。

kicker: あと2得点で代表50得点に届きます。

ポドルスキ:FWとしてそのことは頭にはあるけど、でもそれを目標にするわけではない。まあ試合や雰囲気を楽しむということ。試合終了のホイッスルがなったとき、全てが終わるよ。それから家族と一緒に、ケルンへと戻るさ。

kicker: 2006年にサン・マリノ戦で4得点、南アフリカではハットトリックをマークしています。

ポドルスキ:公式戦であれば、どのゴールだって重要なものだし、得点は得点だよ。別に多く点をとったところで、いつも通りに過ごすさ。荷物をまとめ、また次へと向かうだけだよ。

kicker: 2014年のワールドカップ決勝では、ベンチに甘んじていましたね。この120分は最悪の時間だったのでしょうか?それとも最高の時間として振り返れるのでしょうか?

ポドルスキ:両方だ。もしもアルゼンチンに得点を許してしまっていたら、そうは考えられなかっただろうけどね。でも決勝の舞台となれば、それがピッチ上だろうがベンチだろうが関係はないさ。とにかく熱く燃え上がったし、チームの一員として戦った。それがどんな役割であったかは二の次さ。

kicker: この大会ではわずかに2試合の出場にとどまりました。それでも優勝戦士の意識はありますか?

ポドルスキ:もちろんだ。このチームの成長をともに歩んできたのだからね。リオへの道は、だいぶ前から始まっていたものだよ。2006年の母国再開のワールドカップから、足掛け8年通してこれを目標としてきたんだ。レーヴ代表監督は見事にチームを成長させてきたと思うね。

kicker: 2006年のワールドカップは、自身にとって最高の時間だったのでは?

ポドルスキ:間違いなくハイライトの1つだとはいえるさ。あの雰囲気のなかで、3位という成功を収めたからね。

kicker: 準決勝でのイタリア戦での敗戦は、もっとも辛い試合の1つ?

ポドルスキ:いや、そんなことはないね。誰も僕たちはそこまでいけると期待していなかったし。総じて見て2006年のワールドカップは、新世代のための幕開けといえる大会だった。ただあとちょっとというところまではいってたのは確かだけれどもね。

kicker: この大会では最優秀若手選手賞に輝きました。

ポドルスキ:母国開催の大きな大会でこういった賞をもらえたのは誇りだよ。21歳で3得点を挙げることができたね。

kicker: しかしその後はユーロ2008は決勝、2010年のワールドカップでも2012年のユーロでも準決勝、そして2014年はベンチで見守る結果に

ポドルスキ:それもサッカーだよ。あの優勝杯を手にしたとき、全てを忘れられるものさ。ユーロ決勝での敗戦は数週間は辛かった、2008年はあとちょっとのところまでいったからね。

kicker: 過去の経験があって2014年の優勝があった?

ポドルスキ:そうもいえると思う。ただ人生においてミスがつきものであるのもまた事実ではあるけれどもね。ただ1ついえるのは、あのときのチームはとにかく結束力があったということだ。

kicker: 代表で思い出したくないことはありますか?

ポドルスキ:ないね。デビュー戦から全ての試合で楽しんできたよ。

kicker: 2012年にベルリンで行われたスウェーデン戦、4−0から4−4に追いつかれた試合については?

ポドルスキ:馬鹿げていた試合だけど、あそこにいたわけだから、そのことについては笑うしかないよ。

kicker: これまで41試合で途中から出場しており、これは歴代代表選手のなかで最多です。このことについてはどう思われますか?

ポドルスキ:そのことは気づかなかったな。130試合出場しているし、選手の交代はサッカーではつきもの。それに23人のトッププレーヤーが集まっているわけだし、僕はそのなかの一人だよ。

kicker: 先発した88試合のうち、55試合は左のウィングとして、33試合は真ん中のFWとして、プレーしていました

ポドルスキ:2007年からレーヴ監督の下で左でプレーするようになったんだ。たくさんの話し合いをして、ビデオでもチェックして、それで受け入れることにしたよ。ただ真ん中の方が得意だとは思っていたんだけどね。自分のいいところをもっと発揮できるから。

kicker: どのチームメイトが特別な存在でしたか?

ポドルスキ:シュヴァインシュタイガーとは2004年から仲の良い友人だし、クローゼとはとても良いハーモニーをオフェンスで奏でていた。それにシュナイダー、バラック、カーンといった選手たちとともにプレーできたことも特別なことだよ。

kicker: 交換したユニフォームのなかで、もっとも価値があると思うものは?

ポドルスキ:ロナウドだね。メッセージも書いてもらったし。あのときちょうど代表100試合目だったんだ

kicker: ピッチ外で特に思い起こされるのは?

ポドルスキ:ミヒャエル・シューマッハだ。彼とは良い友人なんだよ。一緒にいていつも楽しんでいたしね。彼は卓越したスポーツマンだし、素晴らしい人間だ。ミヒャエル、僕たちはいつも君と一緒だよ!

kicker: 引退の時期は正しいと思いますか?

ポドルスキ:もちろんだ。だから決断したのだから。

kicker: これまでのキャリアを、個人的にまとめてらっしゃるのでしょうか?

ポドルスキ:たくさんの僕のプレーやゴール、それにワールドカップなどのDVDやユニフォームなどが山ほどあるよ

kicker: 自身のキャリアを一言で表すと?

ポドルスキ:子どもの頃からの夢の実現

kicker: 夢を達成したことへの驚きなどはありますか?

ポドルスキ:あえてやらなかったこともあるし、意欲を持ち続けること。僕はストリートで多くの友人たちとともに成長したんだ。

kicker: ポドルスキが代表に残したいものは?

ポドルスキ:それは人々が感じるものだと思う。プレーも大切だけど、時にはそれ以上に大切なものもあると思うよ。

kicker: 経験豊富で、盛り上げ役のポドルスキが不在となります

ポドルスキ:背番号10と盛り上げについては寂しく思うんじゃないかな。でも10はもうエジルがつけているからね。

kicker: 盛り上げ役については?

ポドルスキ:その穴埋めは難しいだろうね(笑


  • ブンデスリーガ・各チーム情報