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2018年06月14日

ドイツ連盟会長、ギュンドアンとエジルを巡る問題の根幹は「根深い」

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ワールドカップが開幕する数週間前、ドイツ代表選手がトルコのエルドガン大統領を表敬訪問し、「我が大統領へ大きな敬意を込めて」と書かれたユニフォームを手に、共に写真撮影に応じたことは、ドイツの人々にとって決して受け入れられる行為ではなかった。それ以来、メスト・エジルイルカイ・ギュンドアンは辛い時間を味わい続けている。

この問題ついてはさらに、いかにこのテーマに対してドイツサッカー連盟が対処したかという部分も影響しており、明らかにこのことを軽く考えていたといえるだろう。作り上げられたドイツ大統領との訪問などでは、事態を沈静化させるには至らなかった。先日のサウジアラビア戦で途中から出場したギュンドアンに対して、投入から試合終了までの一挙手一投足にブーイングが浴びせられていたのである。なおギュンドアンはその後、1枚の写真を投稿し「この国を代表してプレーすることは、いつだって誇りだ」とのメッセージを添えた。

それでも「やれることはやった」と、ドイツサッカー連盟のラインハルト・グリンデル会長は水曜日にコメント。「ギュンドアンはすぐに、内容のある説明を行い、ミスをみとめ、ドイツ大統領との話し合いも行なった。にもかかわらず、ブーイングを浴びる結果となってしまったのだ」と言葉を続けている。

さらに同会長は、今回の二人をめぐる一連の騒動は、むしろ政治的な問題にあると考え、ドイツ国内における外国人の受け入れ問題が寄与したものだと考えている。「私が言えることは、この問題の本質は非常に深い部分にあるということだ。選手自身を取り巻くものよりもね。前回大会において、我々は外国人の受け入れという問題において、はるかに状況にあった。そこまで大きな問題はなかったし、ドイツ代表がもつ多様性は受け入れられていたのだ」

だが今は移民に関する議論、そして国内における政治的問題が加わったことにより、「状況が変わったということ。人々はこの問題を考えるにあたって、明確な答えというものを求めるようになっている。どのような価値観をもっているのか、それはドイツという国に対しても言えることなんだ。」とグリンデル氏。

「その価値観を明確にしていく必要があるんだ。それはドイツという国だけでなく、ドイツサッカー連盟、そしてドイツ代表選手にも求められている。だから我々もドイツサッカー連盟として、明確に立場を示していく所存だよ」

ただ今回渦中にいる選手は、ドイツ代表においても決して重要度が低い選手とはいえない2選手だ。果たして選手たちは、どのようにこの状況を克服していくのだろうか?少なくともエジルについては、ギュンドアンと異なり沈黙を保ちつづける考えをもっている。「しかしメスト・エジルがうまくコメントできれば、全てが丸くおさまる。そう考えるのは軽率だろう。それはイルカイ・ギュンドアンの例としていることだ。必ずしもそういう結果が期待できるわけではない。」

そこでグリンデル会長としては、「できるだけ頻繁に、この問題はあくまで社会全体の問題であるということを強調していきたい。そしてサッカーというものが、社会を映し出す鏡のような立場にもあるために、それが我々にも影響を与えてしまったのだということを」と述べ、「代表首脳陣と幾度となく話し合いを行い、どういうオプションが我々にあるかも話し合った。そこで重要になってくるのは、リスクマネジメントをよりよく行っていくということだが、そこまであまり多くの手立てがあるわけではない」と指摘。

考えられる解決策とは、「これから我々は、サッカーというものには社会の統合を力に変えているものであることを示していくべきだと思う。我々は結束していき、そして正しい答えであると信じることを一緒に取り組んでいくということ。どの選手たちもドイツのために戦う、自分たちの持てる力の限りを尽くして。もうインタビューで考えを口にしないのであれば、あとはピッチ上で答えを出していくだけだ」と語った。

そのことは前述のエジル、そしてギュンドアンもすでに心得ていることであり、グリンデル会長は「だからこそ、彼らはファンからの応援を受けるにふさわしい選手だと思う」と語り、「チームが全力を尽くす姿をみせれば、ファンからの後押しを受け、そういった姿勢をが見られるものと期待しているよ」との考えを示している。


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