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2015年12月17日

”かつての香川”は生まれない〜後編

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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|復帰から1年。かつての姿を取り戻した香川真司が語る、トゥヘル監督の新たな試み、順位、ファーガソン氏の怒号、そしてクロップ監督との抱擁。


SPOX: ”かつて”の香川をもう一度目にすることができるのでしょうか?

香川真司: ”かつての”香川というものがないと思います。逆に”新しい”香川もないのではないでしょうか。普段よりもうまくプレーできたときは、またそれを続けたいと思うものです。過去2年間の記憶だけで残る選手にはなりたくない。以前のようにプレーできるかどうかが重要なことではありませんよ。
SPOX: 何を重要視されているのでしょう?
香川真司: トゥヘル監督の下では、オフェンスのポジションであれば複数でプレーできる状態でなくてはいけませんし、いいパフォーマンスを発揮する必要もあります。これは僕にとっては、ちょっと新しいことです。4−3−3システムでは、常に典型的なプレイメイカーが求められているわけではありません。この新しい役割は、攻守にわたってとても多くのことが求められますし、僕自身このことにとても刺激を受け、今のところはうまくこなせているとおもいます。
SPOX: マンチェスター・ユナイテッドでは思うようなシーズンを過ごせず、2年目ではモイーズ監督の下でベンチに座る時間が多くなりました。プレミアでの時間で得たものはなんでしょうか?
香川真司: ものすごいプレッシャーにさらされた中で、まさにトップレベルというパフォーマンスを見せる、そのために必要なものですね。
SPOX: そのために必要なことは?
香川真司: 卓越した個人の能力もありますし、あと自信と才能。ピッチで高いパフォーマンスを発揮して結果を得るためにですね。メンタル面でうまく見せられないと、ベンチに座ることになったり、チームを去ることになったりします。とてもハードなことですが、すぐにわかることです。マンUのようなクラブで偉大な選手たちと共に過ごし続けるには、僕みたいな小さくでフィジカルで劣るような選手は、とくに多く練習をこなして、断固たる気持ちをもって、日々取り組み続けなくてはいけません。一歩一歩前進するために。それが唯一の可能性なんですよ。
SPOX: ファーガソン監督から思い起こされることはなんでしょうか?移籍された年は、同氏にとって最後の年でもありました。
香川真司: 練習は他のコーチに一任されていましたが、特に試合前や試合当日にはとても存在感がありました。彼の英語を理解するのに、みんなが時間を要していたことを思い出します(笑(スコットランド出身のため)。彼の最後の年に一緒に戦えたことは、僕にとってファンタスティックな経験でした。彼はとても多くのタイトルを獲得した人物ですし、まさにレジェンドですよ。
SPOX: とても声が大きかったのでは?
香川真司: まさにそうですね。ある試合のハーフタイムで思いっきり怒鳴られたことがありました。それ以外はそこまでではなかったんですけど。もしかしてあまり見えなかったかもしれないです(笑。移籍前から聞いてはいたのですが、本当に驚きました。あんなにも声が多いな声で叫ぶ監督は、見たことがありませんよ。まる台風のようですよ。特に主力選手に対しては、真っ赤な顔で怒鳴りつけてましたね。
SPOX: それでも反論は特にされなかったんですよね?
香川真司: そうですね。ルーニーやギグス、スコールズやフェルディナントといったような選手たちに対してさえ、そのような対応していたことを考えると、彼の人間性・存在感のすごさが伝わりますよね。そういう選手たちが、口答えをすることが決してない。それは彼のことをとてもリスペクトしているからです。ファーガソン監督が醸し出すオーラや推進力は、本当に見事なものでした。だからこそ、あれほどのトッププレヤーたちを、長年にわたって束ねることができたのでしょうね。
Sein Name: Ferguson. Alex Ferguson. Sein Beruf: Titelsammler. Unersättlicher Titelsammler. Sein Herrschaftsgebiet ist seit 1986 Manchester United
SPOX: マンチェスター・ユナイテッド時代では、少し下降線を描き、復帰へと至りました。移籍を後悔する考えはありますか?

香川真司: いいえ、全くありません。マンUへの移籍は正しい、いい決断だったと思います。そこで他のクラブでは決してできない、多くの経験を積むことができました。どれほどこのクラブが大きなものか、世界中から注目を浴びるのかを肌で感じましたし、いいパフォーマンスを発揮すればすぐに受け入れられる。選手として、そして人間としても成長できたと思っています。
SPOX: 移籍の決断をクロップ監督に伝えたとき、数分にわたって泣きながら抱擁されたそうですね。
香川真司: はい。移籍の決断を伝えに彼のところに行きました。そこで2年間の素晴らしい時間を彼の下で過ごした、その感謝の気持ちを伝えたかったんです。J2の選手から来た僕を、彼の助けのおかげで、子供のころに憧れていたクラブに移籍できるようになった。彼は僕自身のこと、そして新しい挑戦を喜んでくれ、抱きしめられた時にそういったことを全部思い出したんです。それから自然に涙がこぼれてきたんですよ。そのあとで、少し恥ずかしかったですけどね。
SPOX: 特にクロップ監督のどのようなスタイルがよかったと思われますか?
香川真司: 彼の感情的な部分。それはゴールシーンだけでなく、いかに彼がチームを鼓舞するか、彼のコミュニケーションスタイルや、選手みんなに愛情を注いでいるかにも見て取ることができます。見知らぬ国の2部でプレーしていた僕を、彼は信頼して起用してくれたんです。このことを忘れることは決してありません。僕たちの関係は多くの成功と感動的な経験から、常に密接なものなんです。
SPOX: そしてドルトムント復帰の理由でもあった。
香川真司: その通りです。彼がメインの理由でした。また彼の下で練習したりプレーしたりできる。それは決め手となりましたね。それにドルトムント首脳陣との話し合いもとても情熱的でした。だから決断はそんなに難しいものではありませんでしたよ。
SPOX: .クロップ監督が指揮するリヴァプールの試合はご覧に?
香川真司: はい。あれほど早く、そして多彩にクラブを変えていくというのは、とても興味深いことですね。スタイルはすでに大きく変化していますよ。残りのシーズンの戦いが楽しみです。今はかなりうまくいっていますし、ユルゲン・クロップという人物が、いかにファンタスティックな監督であるかを示していると思います。これからもこれが続いていくことを期待していますよ。
ページ1: 香川が語るトゥヘル監督の新たな試みと順位

interview: Jochen Tittmar(ヨッヘン・ティットマー)
Sport
翻訳:kicker日本語版
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