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2018年02月05日

香川真司、「過去の自分に立ち返る」事が復活のきっかけに

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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トーマス・トゥヘル監督の下でもペーター・ボシュ監督の下でも厳しい状態に置かれていたものの、ペーター・シュテーガー監督就任から事態が好転。香川真司は今回の指揮官交代で大きな成功を手にしている選手の一人に挙げられるだろう。日本代表MFはシュテーガー監督から常に起用され、そしてその期待に応える活躍をみせている。

香川真司が紙面を踊らせていたのは、すでに数年前も前のことだ。ドルトムントのクラブ史上最もお買い得だった選手でもある同選手だが、しかしながらマンチェスターで不遇の時間を過ごして復帰を果たして以降は比較的なりを潜めた日々が続いている。

特にクロップ監督退任後に就任したトゥヘル監督や、昨夏に就任したペーター・ボシュ監督の下でも、その創造性と守備に対する精力さを兼ね備えたMFの正しい起用法を見出すことができず、クロップ監督時代では安定してプレータイムを得ていたのだが、それ以降は先発とベンチを行き来する結果に。大きな信頼を得ることができず、それがプレーにも影響を及ぼし、リズムを掴めないまま期待したような役割をつかめずにいた。

だがペーター・シュテーガー監督がドルトムントの監督に就任すると、突如として香川真司は再び重要な存在へと変貌。ここまでの公式戦7試合すべてでフル出場を継続しており、その間で3得点3アシストの活躍を披露している。ちなみにボシュ監督時代では18試合で3得点4アシストという成績だった。

現在ドルトムントでは、デンベレとオーバメヤンの移籍に加えてロイスが長期離脱中にあり、決定力を模索するドルトムントの状況が香川にプラスに働いたとみることもできるだろう。ドルトムントでは「得点力のある選手がどんどん出てきてほしい」ところであり、香川真司のような「得点することができ、さらに守備でもうまくプレーできる選手」が求められているのだ。

金曜日に行われたケルン戦では、確かに香川真司は得点もアシストもあげることはできなかった。前半15分に放ったシュートは惜しくもバーに嫌われてしまったものの、今の成績は昨シーズンと並ぶものであり、残り13試合を残していることを考えれば、自身にとってベストシーズンだった13得点11アシストに近くこともできるだろう。そのときの活躍がマンチェスター・ユナイテッドの目にとまっており、バイエルンとのポカール決勝での『KAGAWA祭』を置き土産にプレミアへと渡ったのである。

だがそれから不遇の時間を過ごしてドルトムントに復帰した香川だったのだが、まだあのシャルケとのダービー後にファンに担がれたあの歓喜の瞬間でみせていたあの頃のKAGAWAまではまだ戻りきれていない。だがそれでもシュテーガー監督就任からは、その流れにあるとはいえるだろう。そこに影響しているのは、シュテーガー監督が掲げる1つのシンプルなポリシーかもしれない。

それは「新しく監督が就任したあとは、選手たちにかつてみせていた理想の自分、そのクオリティを思いださせようとするものさ」ということ。その過去の自分に立ち返るという旅こそが、香川が再びコンスタントな好パフォーマンスをみせている結果につながっているのだろう。

特にドルトムントは今、激動の最中に置かれている。なかなか終わりが見えないこういった状況にあるからこそ、その重要性も増してくるというものだ。「真司はね」と語ったシュテーガー監督は、「福袋のようなパフォーマンスをみせるのではなく、波が本当に穏やかで、それでいて卓越したハードワーカーなんだ。彼のプレーには非常に安定感がある」と賞賛。その特徴こそ、シュテーガー監督へ「定位置を確保したと感じさせる」結果につながっているのである。


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