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2018年05月19日

kicker記者:【DFB杯決勝直前】フランクフルトの強みと弱みとは?

Eintracht Frankfurt
アイントラハト・フランクフルト
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再びこの場所へと帰ってきた。1年前に行われたDFB杯決勝では、1−2でボルシア・ドルトムントに敗れ、タイトル獲得を逃したアイントラハト・フランクフルト。本日土曜夜20時(日本時間27時)から行われる今回の決勝の相手は、王者バイエルン・ミュンヘンだ。「決して怖がってはいけない」と、ケヴィン=プリンス・ボアテングはコメント。どのあたりをフランクフルトは注意し、どのあたりをうまく活かして勝利をめざしていくべきなのか。あらめてkickerが分析していこう。

文:ゲオルグ・ホルツナー(訳:kicker日本語版)

恐らくはブンデスリーガとDFB杯の両方で最多優勝回数を誇る、バイエルン・ミュンヘンが今晩20時キックオフの決勝戦でもイニシアチブをとることだろう。疑いの余地などないはずだ、この試合の大本命がバイエルンであるということに。それでも「意外なチームが勝利を収めることは珍しいことではない」と、ケヴィン=プリンス・ボアテング。だが如何にしてバイエルンを苦しませていけるだろうか。

対人戦:フランクフルトが対人戦でみせる厳しさは、これまでむしろポジティブではない論調でフォーカスされてきた。だが決して禁断の手法などではないこともまた確かである。フランクフルトは許容範囲ギリギリのところに限界値を定めており、『ファイティング&ランニング』はフランクフルトが掲げるサッカー哲学の一部だ。この手法によりフランクフルトはしばしば、相手の戦意を削いできたのである。

戦術的規律:このチームの心臓部分は中盤だ。フランクフルトではもっとも中盤での規律がとれており、うまくスペースを配分し、そしてしばしばディフェンスにおいて相手よりも数的有利な状況を作り出している。特にオマル・マスカレルとケヴィン=プリンス・ボアテングは相手にとって厄介な存在であり、バイエルンのプレーの流れを遮断することも可能だ。ただそのためには十分に相手にタイトにつきつづける必要があり、王者バイエルンの中盤にわずかなスペースのみを与えるよう対処していかなくてはならない。ただそういったプレーを、これまでフランクフルトは幾度となくみせてきた。特にプレーを落ち着かせたりシフトすることができるマスカレルが、この試合でのキーマンとしてあげることができるだろう。

つまり?:フランクフルトはこの試合、守備面における規律を見出していかなくてはならないだろう。また攻撃面においても、FW陣が効率的なプレーをみせなくてはならない。アンテ・レビッチは戻ってきており、ルカ・ジョヴィッチもビッグチャンスではなくとも決められる力をみせてきた。そして何より彼らにとって主な仕事となるのは、最初のディフェンダーとして精力的にプレーしていくということである。安定した守備への取り組みが基軸となるのだ。ただそのなかで、いかにして危険な状況を作れるかも課題にもなるのだが。

体力:シーズンの終盤でフランクフルトは、もはやギリギリのところで戦っているという印象を与えてしまっていた。ルーカス・フラデツキーも「もしも体がうまく動かなくては、うまくなんていかないものだ」とコメント。既にエネルギーは切れかかっており、心身ともに疲労困憊している状況にあったのである。だがこの試合ではそんな言い訳など通用しない。それでもバイエルンにボールを回されて走らされることになれば、そのうちフランクフルトの体力の限界も訪れてしまうものだ。そうなれば、バイエルンは試合の終盤で求めていたスペースを見出してしまうことだろう。

悪い流れ:3月終わりの代表戦期間後から、これまで見せていた見事なディフェンス力に、明らかな陰りがみえてきた。最後のリーグ戦7試合で喫した失点数は、実に15にも及ぶ。そしてこの悪い流れが生み出されてしまったことにより、選手たちは残されていた体力、そしてし精神力もむしばまれていくようになってしまった。その結果、注意力が散漫となり、これまでになかったような個人によるミスをおかしており、これをバイエルン戦で露呈するならば致命的な代償を支払うことになる。

「我々は限界を超えるパフォーマンスをみせなくてはならない」と、ニコ・コヴァチ監督は金曜にコメント。それはすべてのポジションの選手たちが、開始1秒から試合終了まで実践しなくてはならないものだ。それによってはじめて、アウトサイダーであるフランクフルトはバイエルンから勝機を見出すことができるのである。


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