Kicker

ドイツ最大のサッカー専門誌 - kicker日本語版

2016年02月27日

番記者が見る:清武・山口、酒井宏のハノーファーの現状

Hannover 96
ハノーファー96
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Foto: Nigel Treblin

「この流れを変えること」「残留に向けて加速すること」-。


今冬新たにトーマス・シャーフ監督を招聘し、新たなスタートを感じさせる中で、口にされていた言葉である。だが蓋を開けてみれば、開幕から5戦全敗。最下位へと置いていかれ、浮上のきっかけさえ見出すことができていない。


残されたこれからの12試合でラストスパートを仕掛けられるのか、それともブンデス1部の思い出作りとなってしまうのか。


ヨーロッパから最下位へ

3年連続でヨーロッパリーグ出場を果たしたハノーファー。ニーダーザクセン州エリアの人々の目はこの街へと注がれ、ホームスタジアムは歓声に湧いていた。


だが人事面での相次ぐ誤った判断により、伝統あるクラブは一転して降格最有力候補へと転落。そこでブレーメン時代に国内2冠も達成した名将トーマス・シャーフ監督を招聘したのものの、いまだプレー面で改善は見られていない。いや結果という点でみれば、むしろ悪化していると言えるだろう。


確かにこの5連敗中には、ドルトムントとレバークーゼン戦があったとはいえ、ダルムシュタット、アウグスブルク、マインツ戦を踏まえれば最低でも、勝ち点6は確保しておきたかった。これが後々にまで響かなければ良いのだが。


先発が固定できない

あまりに長く続く不振により、自信が喪失されているハノーファー。そこで今冬は積極的に補強を行い、新たな血を注入。若手フォッスム、ヴォルフらに加え、国際経験のある山口蛍、ハンガリー代表FWアダム・シャライ、さらに元ポルトガル代表ウーゴ・アルメイダらを迎え入れた。


そしてブレーメン時代では中盤をひし形に組んで大きな成功を収めたシャーフ監督は、今回も4−4−2システムを採用。しかしハノーファーの選手たちにとっては、例えばボランチのシュミーデバッハがトップ下、山口蛍やサネが右サイドに配置されるなど、不慣れなポジションでプレーを強いられる結果に。特に山口は2試合目では僅か30分で交代など、慣れへの代償を支払うこととなり、また一方のアルメイダも体調面での遅れを露呈。さらにシャライは負傷により離脱を余儀なくされている。


そこでシャーフ監督はFWにソビエフ、山口やシュミーデバッハを外してカラマンとプリブを起用し、ドルトムント戦とアウグスブルク戦で、4−1−4−1システムへと変更。これで選手たちを本職に近い形で選手たちを起用しつつ、一方で4バックは毎試合変更するなど模索を繰り返してきた。


ただ練習では手応えを掴むも、しかしなかなか結果へと結びつけることができていない。コンセプトは明確ではあるなのだが、例えばディフェンス面での組織化や意思統一、建設的にボールを前線へと運ぶことや、ゴールに向かう推進力など、なかなかピッチ場でマッチプランを実践できずにいるのだ。


このような苦しい状況にあるシャーフ監督だが、しかしながら落ち着きを保ち、前向きな姿勢を見せている。「このチームはもっといいプレーができる。その兆しは、前回のアウェイ戦で見せたよ」


前々節ではハノーファーは、2位ドルトムントに対して敵地で勇敢な戦いを挑む姿を見せた。そして今節はアウェイ戦が控え、加えて前節では清武弘嗣が3ヶ月ぶりに復帰を果たしている。


なお今回の相手であるシュトゥットガルトは、最下位から一転してトップ10入りを果たすなど、いかに状況が一転するかを証明しているクラブだ。


「チームにスイッチが入るまでは我慢強く構えなくては」とシャーフ監督。


だがそのための時間はそう残されていない。できれば今回の試合で、少しでも早く足がかりを掴みたいところである。


記事:Abschiedstour statt Aufbruchsstimmung? by ミヒャエル・リーター

 


  • ブンデスリーガ・各チーム情報

  • Kicker