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2018年06月05日

kicker誌チーフ:応えられなかったサネ、筋を通したレーヴの決断

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月曜午前にドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督は、連覇をかけて今夏にロシアで行われるワールドカップへ臨む23選手を発表。そこにはベルント・レノ、ヨナタン・ター、ニルス・ペテルセン、そしてリロイ・サネの名前がなかった。ドイツのサッカー専門誌kickerのチーフを務める、カールハインツ・ヴィルト氏のコラムを以下に翻訳・掲載。

文:カールハインツ・ヴィルト(訳:kicker日本語版)

トラップvsレノは、トラップに軍配

マヌエル・ノイアーが最終テストとなったオーストリア代表戦にて、見事に持ちこたえてみせた姿を披露したことにより、ドイツ代表の正GKの座はもはや確定的となった。あとはどのゴールキーパーが外れることになるのか。ノイアー不在の599日間でその代役を担う存在となったマーク=アンドレ・テル=シュテーゲンも除き、第3GKのポストを、ケプケGKコーチはパリSGのケヴィン・トラップ、そしてレヴァークーゼンのベルント・レノとの間で判断。トラップに至っては、所属するパリ・サンジェルマンにおいて、公式戦わずか14試合のみにとどまっており、逆にレノに至っては1試合のぞく公式戦39試合で出場を果たしてきた。だがそのレノが、荷物をまとめてドイツへと戻ることになる。何故なのか?それはトラップが今回の合宿において、より良い印象を残していたということがあり、さらにトラップは11月半ばに行われたフランス代表戦で好パフォーマンスを披露。一方でレノはアゼルバイジャン戦でも、コンフェデ杯決勝でもミスを露呈。今回のトラップへの判断というものは、理解できるというものである。

ボアテングの復調に伴い、ターが選外に

またヨナタン・ターの選外という判断も、決して驚くようなことではない。フィジカルに長けたディフェンダーは、あくまで内転筋に問題を抱えて参加していたジェローム・ボアテングの保険的存在であり、発表が行われた翌日の火曜日には、ボアテングはチーム練習参加の見通しとなっている。おそらくボアテングはバイエルンで同僚のフメルスと共に先発CBコンビを形成。そのバックアップにはリュディガーとズーレも控えている状況からも、確かに両選手は先日のオーストリア代表戦ではぱっとしなかったが、それでもフル出場していた時点で既に結果は見えていた。ターの他にもセンターバックとしては、グラードバッハのマティアス・ギンターも控えているが、ターとは異なりギンターは右サイドバックとしてキミヒの代役も務められる上に、いざとなった場合にはボランチとして出場することも可能なポリバレントな選手だ。

飛躍見せたペテルセン、ロシア行きまでは届かず

現在イタリア南チロルでの合宿に参加している27選手のなかで、最も大きなサプライズ招集となったのが、フライブルクのニルス・ペテルセンだった。一躍ロシア行きのチケットを得る可能性が出てくるまでの飛躍を遂げた29才ではあったが、しかしその夢が叶うことはなかった。今季リーグ戦で15得点をマークした同選手は、初めての代表招集ということで当初は戸惑いをみせており、先日のオーストリア代表戦でもなかなか連携を見せることができなかった。そもそもレーヴ代表監督は、それぞれのポジションに二人ずつ配置したい考えをもっており、トップに1はスプリンタータイプのティモ・ヴェルナーと、ポストプレイヤーのマリオ・ゴメスという危険な存在2選手が控えており、3人を抱えていた現状はすでに人員過多という状況にあったのだ。

いまだに代表では得点に絡めていないサネ

同じくFWリロイ・サネも、ワールドカップへの最終メンバーに入ることができなかった。才能溢れる左ウィングを主戦場とする22才は、今季はプレミアリーグにて10得点15アシストを活躍を披露。だが特にここのところのブラジル代表戦や、オーストリア代表戦でも、本来はアピールをしなくてはならない立場にあるサネだが、非常に失望を与えるパフォーマンスをみせる結果となっている。ブラジル代表戦後に、前回の優勝メンバーでもあるMFトニ・クロースは、気持ちとパフォーマンスを発揮するための姿勢、さらに存在感の欠如について苦言。特にこの言葉は、サネに向けられたものだった。だが、今回のオーストリア代表戦でも、サネがそれに応えることができないという姿を露呈。なおこれまで代表として12試合に出場してきたサネだが、いまだ得点も、アシストさえもマークできていない、期待がかかる攻撃的選手としてはあまりに物足りない数字だ

確かに今回代表の座を争ったユリアン・ブラントもまた、15試合の出場のなかで1得点2アシストしかマークしておらず、実際にレーヴ監督は両者の間にさほど大きな差はなかったことを認めている。確かにサネはスピードがあり、対人戦を仕掛け、ディフェンスラインを縦横無尽に駆け回ることができる選手だ。だがそれを代表では全くみせていない。だからこそ、今回レーヴ代表監督が下した判断というものは、サネに対してまさに筋が通ったものだったということができるだろう。


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