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2016年04月27日

シャルケの主将からバイエルンへ。ノイアー「成長のために正しい判断だった」

FC Bayern München
バイエルン・ミュンヘン
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kicker: ノイアー選手。自身にとって通算4度目となるリーグ優勝が目前に迫っていますが、これまでの3度のリーグ優勝との違いはなんでしょう?


マヌエル・ノイアー(30): 難しいね。どのシーズンもそれぞれ異なるものだ。時には比較的早くリーグ優勝が決まる時があるし、今回のようにドルトムントという手強いライバルがいる時もある。彼らは本当に素晴らしいシーズンを戦っているよ。まだ優勝は決定していないし、観ている人たちにもいつもより少し緊張感があるシーズンだよね。


kicker: ライバルがいた方が良いとお考えですか?


ノイアー:  もちろん同じリーグにライバルがいた方が良いさ。もっと多くのものが求められるし、常に限界まで力を発揮しなくてはならない。そういった部分は、国際舞台での戦いにも好影響をもたらすものだよ。パリ・サンジェルマンを批判するわけではないけど、でも例えばパリにしても、いくつかライバルとなるクラブがリーグに少しでもあった方が、ずっと良い影響を与えることになると思うね。早々にリーグ優勝を決めたことは、パリにとっては嬉しいことだろうけど、でもリーグにとっては残念なことでもあるさ。ここドイツでは、僕たちにはドルトムントという手強い相手がいる。それはとても良いことだと思うよ。


kicker: さらにプッシュしてくれるという存在?


ノイアー: 気を抜けないよね。いつだって最高のサッカーをすることを目指さなくてはならない。僕たちはずっととても高い緊張感の中にいるけど、でもそれは最近数年間ではなかったものだ。


kicker: つまり早期優勝は、チームにとってデメリットになると?


ノイアー: なんとも言えないね。ここ数年間も、すべてがそう簡単に言ったわけではないんだ。多くのけが人を抱えていたし。早期優勝がデメリットになる、そう言ってしまうのは難しいよ。ただ個人的な見解だと、緊張感をもってタイトル争いをすることは、決して悪いことではないと思う。


kicker: 優勝に対して、まだ少し疑問視?


ノイアー: 僕はこれまでに、優勝を疑問視したことはあに。ただ常に、自分たちがやるべきことをしっかりと行わなくてはならないということだ。リーグ戦の中で、目標を持って取り組めるというのは良いことだよ。何も目指すものがない中で戦うよりはいいさ。今は常に、必要な勝ち点を目指すというモチベーションをもって、試合に臨めている。


kicker: まもなくして、バイエルンに移籍して5年が経ちます。これまでをふりかえっていかがですか?


ノイアー: クラブに対してとても感謝しているよ。2011年にここに来た時には、僕にとってとてもうまく事が運んでくれた。そして僕はプレー面で、さらに成長を遂げることができたんだ。コーチ陣に感謝しているよ。僕はバイエルンで、さらに良いGKとなった。これは素晴らしい感覚だ。僕は無意味に2021年までの延長で合意しているのではない。ここでとにかく居心地よく過ごせているし、バイエルンにしっかりと根付くことができた。とても良いバランスを感じているよ。バイエルンでの取り組む環境、そしてチームメイト達は本当に素晴らしい。本当にこれからが楽しみなんだ。


kicker: シャルケからバイエルンへ移籍した際には、非常に騒動となりました。


ノイアー: 2011年の時のことは、とても印象に残っているね。あの時にはとても多くのことを学んだよ。シャルケから移籍し、ああいうことを経験するというのは決して容易なことではないさ。ただそのときに、チームが僕をしっかりと受け止めてくれたことが大きかった。特に代表から知っていたシュヴァインシュタイガー、ラーム、ゴメス、クローゼといった選手たちが、クラブについて教えてくれたり、いろいろとサポートをしてくれた。チーム内でそういう風にとてもうまく入っていけたというのはよかったね。逆にそういうところでも難しさが生まれることだってある。あの状況を乗り越えたことが、人間としてさらに成長することができたと思うよ。


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kicker: 先日のシャルケ戦では、ご自身に対してシャルケのファンから、辛辣なチャントが歌われていましたが耳に入っていましたか?


ノイアー: 自然には入ってきてしまうものだよね


kicker: 心苦しさは感じますか?


ノイアー: (長い間考えて)確かにバイエルンの一員として僕がプレーしていることは、ファンにとっては辛いものではあるだろう。


kicker: つまり理解できると


ノイアー: 理解をするというのは、どういうことだろう?サッカーでは感情的な部分はつきものだ。ただ下衆などと蔑まれることに理解をみせることはできないね。それは愚かだろう。僕が移籍したことについて、ファンが残念に思っていることについては本当に理解しているよ。僕がボールを持った時、彼らはもちろんブーイングをしてもいいさ。でも僕がミュンヘンで培ってきたキャリアを振り返った場合、正しい判断だったと誰もが思うことだろう。自分自身をさらに高めること、それが僕の目標だ。だからあの時は、移籍を決断しなくてはならなかった。


kicker: つねに堂々としている印象を受けます。


ノイアー: (批判)の材料となるようなことを与えたくはない。興奮してしまうということは、相手の思う壺でもあるんだ。そういったところを見せたくはないよ。


kicker: ルール地方からバイエルンへと来て、そしてまさにチームを代表する選手になりました。


ノイアー: もちろんそれまではプロセスがあった。まずここに来ての最初の1・2年は、自分自身をここで見出す必要があったよ。チームメイトもクラブ関係者も、僕がとても慣れやすくしていってくれたし、必要とされる感覚は本当に素晴らしいものだった。それがここに来て、そしてチームを引っ張っていく存在となっていくためには重要なことだったと思う。そういったことによって僕は成長していった。もちろん成功や失敗も、成長へと繋がったよ。バイエルンで共に歴史を刻んだ。CL決勝での辛い敗戦や三冠達成。そういったことから僕は成長し、僕の中で変化が生まれていったんだよ。


kicker: ここまで居心地の良さを感じることは想像できましたか?


ノイアー: できたけど、でも少し時間が必要だとも思っていた。移籍について、かなりネガティブに報じられていたからね。ここまでの成長をするとは、多分多くの人が疑問視していただろうし、とにかく時間が必要だということははっきりとしていた。


kicker: 2021年までの契約延長にサインされました。契約が切れるころには35歳を迎えています。バイエルンが最後のクラブということに?


ノイアー: それを言うのは難しいな。ブッフォンが38歳という年齢でプレーしているということも言えるだろう。とにかく体と相談し、しっかりとケアしていくことが重要だ。怪我なく過ごしていけるようにね。


kicker: 引退をここで迎えることが目標となりますか?


ノイアー: それを意識していなければ、これほどの長期契約を結ぶことはないだろう。でもまずは目標となるのは、自分の契約をしっかりと全うするということ。それからどうなるのか見て見ることになるよ。どういった状況にあるのかね。4年後にどういうプレーをしているのかなんてわからないんだ。ここ数年で、GKのプレースタイルが変わったことはわかっているし、個人的にも変わった部分がある。だからどうなるのかなんて言えないよ。予知することなんて僕にはできない。


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kicker: ご自身には常に完璧が求められていますね。


ノイアー: そうだね。どのパスも、どのキャッチンッグもそうだ。とても高い要求がそこにはある。それは自分自身でも課しているという側面はあるけどね。ただ僕はマシンではなく人間だ。ミスをする可能性は常にある。もちろんいつだってミスのないプレーを目指しているし、100%正しいプレーをしようとはしているけれどね。


kicker: たとえミスをしても、そこまで影響を受けるそぶりは見せません


ノイアー: ミスは起こってしまうものだけど、でもそれで冷静さを失うようなことはしない。常にクールさをキープして、ミスのあとはきっちりと無失点に抑えようとする。リスボン戦でも自分への苛立ちを見せていたとは思わない。重要なことは、そういう状況のあとでも、チームとともに安定感を失わないようにすることなんだ。落ち着きをもたらすということ。だから選手たちには何が起きても、ゴールを守っている人間は信頼できるという感覚をもってもらいたいし、与えたいと思っているんだ。


kicker: これからチャンピオンズリーグ決勝をかけた、アトレチコ・マドリー戦が控えます。タフな試合が予想されますが、タフな戦いに向けて既にチームは準備万端でしょうか?


ノイアー: 準備万端で臨まなくてはならないよ。そこに疑問の余地はない。アトレチコがこれまでの相手の中でも強敵であることはわかっている。バルサを倒しているんだ。アトレチコのことはもちろん監督も精通していることだし、本当に手強い強敵と、あの熱い雰囲気に包まれたスタジアムで多々か買うことになるよ。すべての準備をしっかりと整えて、試合に臨まなくてはならない。


kicker: チャンピオンズリーグ準決勝進出は、ご自身にとって6年連続。これはビクトル・バルデス、シャビ、そしてメッシに並ぶ数字であり、類い稀なコンスタントさが際立ちますね。


ノイアー: このことは嬉しく思う。数字のことは全然気にしなかったけど、準決勝の舞台に立つことは常に特別だ。決して簡単な道のりではないし、それから決勝戦もひかえている。欧州の4強に入ることは素晴らしいことだよ。ただバイエルンでは常に、最高の結果が求められるものだけどもね。


kicker: 今年バイエルンが優勝するために必要なことは?


ノイアー: まずはアトレチコから勝利を収めることだ。これは十分に困難なタスクなんだよ。それが達成できた時に、僕たちにはレアルもしくはマンCとの戦いに向けて、はじめてそのチャンスが生まれるんだ。

 


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