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2018年05月17日

kicker記者:ワグナーの判断ミスと、ペテルセンの幸運

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文:マティアス・ダーシュ(訳:kicker日本語版)

ドイツ代表監督という仕事は、多くサッカーファンにとっては最も素晴らしい仕事のように感じられるかもしれない。1年に試合は数試合のみ。大きな大会は2年に1度行われ、選手の選考については国内リーグのみならず海外に所属する選手をも含めることができる。まさにドイツにおけるベストプレイヤーたちの集団だ。だが火曜日に行われた代表発表では、ドイツ代表監督としてのもう1つの側面をみせることに。「私の仕事は、時には涙を流させるものでもあるのだよ」とレーヴ氏は語っている。

ブラジル大会において決勝ゴールをあげたマリオ・ゲッツェも、今大会では選外となり辛酸を味わった選手の一人だ。ゲッツェにとってはタフな決断だっただろうが、しかし十分に理解できるものでもあった。シーズンの終盤にレーヴ代表監督はゲッツェに対して、明確な要求を口にしている。より得点力をみせること、より明瞭にプレーすること、よりオフェンスでの力強さに磨きをかけること。だがゲッツェはそれをある程度までしか披露することができなかった。いやむしろ滅多にみれなかったと表現すべきだろう。おそらくレヴァークーゼン戦とブレーメン戦くらいだ。それでもレーヴ監督は予備登録という形でゲッツェも連れていき、間近で見てみることもできただろうが、激しいドイツ代表におけるあまりにも激しい攻撃陣の争いの中で招集を見送ることを決断。「個人的には申し訳なく思う」と辛い心境も吐露している。

だがこれは今回の選考で見られた唯一の辛い選択ではない。ニルス・ペテルセンがサプライズ選出という歓喜に沸く影で、サンドロ・ワグナーは選外という憂き目にあったのだ。今冬に先発を務めていたホッフェンハイムから、レヴァンドフスキのバックアップとしてバイエルン入りした同選手。昨夏にはコンフェデ杯を制しており、すでにW杯参加へ自信をみせる発言を行っていたものの、だがワグナーの考えは誤りだった。

確かにシュティンドルの負傷離脱が影響した可能性も否めないが、今回サプライズ選出されたペテルセンは、W杯出場はおろか予備登録メンバーさえも期待していない立場にあった。それでもレーヴ代表監督はペテルセンがもつジョーカーとしてのクオリティについて「あれで一段と成長を遂げた」と評価。さらに最終メンバーにも残る可能性にまでも示唆している。ただしペテルセンについてはあくまで、ヴェルナーのような先発の座を脅かす存在とまではいかないだろうが。

また脅かされるといえば、負傷を抱えたままで臨むマヌエル・ノイアーだ。ここまで負傷した昨年9月から実践より遠ざかっている同選手だが、火曜日にははじめて全てのチーム練習を所属クラブでこなしているものの、それでもレーヴ代表監督は「腹を割って」取り組む姿勢の重要性を強調。慎重な姿勢を見せた。もしも万全の状態にまで戻りきらなければ、これまでのパフォーマンスから代役はテル=シュテーゲンが務めることになるはずだ。

果たしてドイツ代表はロシアW杯で連覇を達成することができるのか。それは前回大会からいかに、チームとして成長を果たせたかどうかが問われる結果だともいえるだろう。特にブラジル大会では、ドイツ代表はその士気の高さが優勝へとつながったが、しかし昨夏に主力を温存して臨んだコンフェデ杯での優勝など定位置争いは今回の方が上だ。

また今回はレーヴ代表監督との契約延長についても発表。数年前からレーヴ監督は、長期的視点に基づいてチームの育成を行ってきており、ロシア大会後に大きな変化が起こる可能性を示唆したことについても何ら驚きを覚える必要はない。まだドイツ代表におけるミッションは終わりを迎えていないのだ。今大会の結果にかかわらず、契約延長をすませ、落ち着いて今後のチーム作りに勤しむことだろう。レーヴ代表監督は常に、大きな目標を追い求め続ける指揮官なのだ。


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