ドイツ最大のサッカー専門誌 - kicker日本語版

2018年09月08日

新生ドイツ代表が四人のセンターバックを並べた理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


 気迫溢れるフィジカルなディフェンスで、今夏ワールドカップを制したフランス代表を無失点に抑えたドイツ代表。それはまさにドイツサッカーの”真骨頂”ともいえるスタイルではあるのだが、しかしながらここのところのヨアヒム・レーヴ監督の下ではあまり見られなかった光景だ。ワールドカップ予選ではドイツ代表は新たなサッカーを提示し相手を圧倒して全勝、その一方でワールドカップではグループリーグで惨敗を喫していたためだ。

 この試合から「長いプロセス」を経て逆襲をはかるレーヴ監督は、まずは攻守のバランスを取り戻すためにあえて4人のセンターバックを4バックに配置することを決断。さらにDFジョシュア・キミヒを3バックの底のボランチとして起用している。確かにその結果、ドイツ代表はフランス代表を相手に無失点に抑えることはできた。だが攻守のバランスという点だけで見れば、いまだ模索中といったところだろう。

 「そう簡単にうまくいくようなものではないさ。」と、この日右サイドバックとしてプレーしたCBマティアス・ギンターは語った。「僕たちとしては、フィジカル面で相手としっかり対峙していきたいと思っていたんだ。」かつてのドイツの真骨頂を、これまで自分たちが築いてきたスタイルを損なうことなく取り戻して行くということ。それがレーヴ監督の狙いだ。

 マッツ・フメルスは「最近数年間でみせていたものとは、別のアプローチをして試合に臨んだ。」とコメント。トーマス・ミュラーは「より守備的に構えて試合に臨んだし、この点についてはうまくやれていたと思う。ただ特に前半に関しては、オフェンス面で不安定なところをみせてしまったね。」と振り返っており、これにはマルコ・ロイスも「もっとオフェンスではうまくやっていきたい。目的意識が欠けたところがあった。前半はそこまでの確信を持てていなかった」と述べ、レオン・ゴレツカも「もっとリスクはかけられたのではないかと思う」と語っている。

 これから再スタートを切る ドイツ代表として、まずは初戦となった王者フランス代表を相手に、復活に向けたその第一歩を記したといったところだろう。そしてさらにもう一歩踏み出すことができるのか、それがかかった試合が、日曜日に行われるペルー代表戦だ。この試合ではフランス代表よりも、より仕掛けて行くスタイルが見込まれており、先日ワールドカップにおける反省点としてレーヴ監督も、戦術面でのフレキシブルさを1つのテーマとして掲げていた。

 「4人のセンターバックを配置して試合に臨むということ。それを僕たちは、どのチームを相手にしても採用する、ということはないと思う。ただ今回のフランス代表戦に関していえば、これは1つのいい作戦だったと言えるだろう。開始から60分間は安定感を再び取り戻して行く必要があった」と主将マヌエル・ノイアーは述べ、ロイスは「ペルー戦はまったく違う試合となるだろう」と強調。「もっとポゼッションをする」ことが見込まれる試合のなかで、ドイツ代表はそのバランス見出すことを課題として取り組んで行くことになる。


  • ブンデスリーガ・各チーム情報