ドイツ最大のサッカー専門誌 - kicker日本語版

2020年07月30日

コロナ危機:アウグスブルクに広がる、苛立ちと不安の理由

FC Augsburg
FCアウグスブルク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


 8月3日に控えた新シーズンへの再スタートを前にしてもなお、FCアウグスブルクは騒動に揺れている。主将のダニエル・バイアーの退団に続いて、昨季途中から守護神として残留を支えたルーテはじめ、4選手に新天地模索を勧告。そして財政面を巡る議論が、巻き起こることとなったのだ。

 新型コロナウィルスの蔓延に伴い、リーグ戦が中断された最中、アウグスブルクも他クラブと同様にサラリーの一部免除で合意に達していたのだが、それは明らかに遅れた決断でもあった。どうやら全ての選手たちが同意していたわけではなく、免除される1割のその用途の提示を求めていた模様。

 そしてその発表に際し、ミヒャエル・シュトレール代表は「数千万ユーロ規模」の損失が見込まれる中で、サラリーの一部免除により「職員の短時間就労へのシフトや行政からの支援を受けることなく」自力で乗り越えていく考えを強調しており、それ自体については賞賛に値するものだといえるだろう。

まさかの投資

 しかしそんな危機的状況の最中に、アウグスブルクがクラブ史上最高額に並ぶ移籍金700万ユーロを投じたことは驚愕させるものだった。そもそもウドゥオカイのレンタルに含まれた買取金額は、コロナ危機以前に設定された700万ユーロであり、ヴォルフスブルク側も交渉に向けて前向きな姿勢を示していたにも関わらず、オプションは行使されている

 一方で今夏に獲得した3人のベテラン選手、ギキーヴィツとシュトローブル、カリジュリについては、一見すると満了に伴う移籍金の発生しないお買い得物件のように見受けられるかもしれない。だが詳しく目を通すとルーテに移籍を勧告してギキーヴィツを、バイアーを退団させシュトローブルを獲得。加えていずれの選手ともに移籍に伴うサラリーの減額は無いようで、特にカリジュリに至ってはシャルケが延長に向けて提示したものよりも遥かに高額な、明らかな最高給稼ぎとして迎えた模様。

 つまりアウグスブルクでは既存の選手たちのサラリーを一部返上させ、そして投資へと動いたという構図に。そのためチーム内では、不安と苛立ちが広がる結果となっているのである。加えて前述の退団を勧告した4選手たちはいずれも、契約を残していることから、新天地を見出せなければチーム縮小化を目指すなかで、契約解消の際にさらに和解金の支払いも求められることは恐らく避けられない。
 


  • ブンデスリーガ・各チーム情報