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2020年04月08日

ヌリ・シャヒン、16年のプロ生活で経験した夢と悪夢

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 最近のブンデスリーガ6試合において未勝利、自動降格圏内となる17位へと低迷している、ヴェルダー・ブレーメン。kickerとのインタビューに応じた、ヌリ・シャヒンは「開幕前から厳しいとは思っていた。他のチームが良くなっていると感じていたからね。ただそれでもこの結果には、不満は拭い去れないものがあるよ」と吐露。

 さらにブンデスリーガ史上最年少デビューを果たし、ここまでブンデス1部259試合に出場してきた男の目には、昨季に欧州リーグ復帰へあと一歩のところまで迫ったことで「別の野心をもっていた」ことも、その困難を招いた要因の1つとして写っている。

 だが何よりも今シーズンのブレーメンにとって大きな痛手となったのは、「あまりにも大量の負傷離脱選手を抱えてしまったこと」だと言えるだろう。「僕の15・6年に及ぶキャリアの中でも、これほどの事は経験さえしたことのなかったものだった。常に12・3選手は月単位の離脱に入っていたと思う。それではチームも軌道から外れてしまうというものだよ」

 しかしながら負傷だけに今季の不振を結びつけるつもりはない。事実として「僕たち自身が、本来のパフォーマンスができていなかったと思う。常に浮き沈みがはげしく、今の僕たちの立場にいることもしょうがないと言えるさ。」と、言葉を続けた。

 それでもシャヒンは、コロナ危機によりリーグ戦が中断する前には、多少なりとも流れの変化を感じてきており、「最後の週では、練習の質が上がっているように感じた。それでこれから流れに乗れるのではないか、という気分になっていたよ」とコメント。その矢先の中断となったのだが、それでも「チャンスでもあるさ。今はサッカーでの危機なんかではなくコロナ危機に意識がいっているし、それは自分たちにはメリットにもなりうるものだとも思うよ」と語っている。

レアルに魅了された日


 「負傷」そして「シャヒン」という言葉で、2011年にボルシア・ドルトムントからレアル・マドリードへと移籍した、あの年を思い起こす者も多いことだろう。加入直後にシャヒンは、練習にて膝を負傷し長期離脱を余儀なくされるという、最悪の出だしを迎えることとなり、最終的にそれから挽回すること叶わず、6年契約を結びながら1年でチームを後にすることとなった。このことへの後悔はないのか?「ないね」とシャヒン。「だって、ずっと思い描いていた事なんだよ」

 2003年2月に行われたチャンピオンズリーグのグループリーグ、ボルシア・ドルトムントvsレアル・マドリード戦にて、ボールボーイを務めていたシャヒンは、そこで「ジダン、ロベカル、ロナウドら」銀河系軍団が「あの純白のユニフォーム」に身を包みプレーする姿を目の当たりにしており、「ナイキのスパイク」によってロベルト・カルロスから対角線上のフィーゴにパスが通った場面は「鳥肌ものだった。魅了されたよ」と回想。

 そしてボルシア・ドルトムントでのブンデス制覇という、1つの夢を成し遂げた22才のシャヒンは、「その時にはたくさんのオファーが届いたけど、でも僕の中では1つの例外しか心にはなかった。だから代理人には、彼らから話がくるなら応じると。そうじゃなければ、ドルトムントを後にすることはなかったと思う」と述べている。
 


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