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2019年08月06日

「本来キミヒは退場だった」再びVARで問題を露呈

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 先週土曜日に行われたDFBスーパーカップにて、バイエルンのジョシュア・キミヒが試合終了のホイッスルをピッチ上で耳にしていたことは、本来ならばあってはならないことだった。ドイツサッカー連盟審判員協会のルッツ・ミヒャエル・フレーリヒ氏とヨッヘン・ドレース氏は、ジェイドン・サンチョを蹴っていたにも関わらず、それが警告のみであったことは過ちであったとの認識を示している。

 キミヒ自身はむしろ警告でさえ不服であり、決して意図的に蹴ったわけではないと強調。しかしながらフレーリヒ審判員協会会長は「試合が中断している際にに足を蹴ることは、ルール的にレッドカードが与えられなくてはならないものだ」と説明。にも関わらず、なぜビデオ判定審判員を務めたロベルト・シュレーダー氏は、ダニエル・シューベルト主審へ正しい判断へと導くことができなかったのか?「ロベルト・シュレーダー氏がとった対応の流れが誤りだったのです」と、VAR導入を担当するドレース元審判員はコメント。「本来は主審をレビュー・エリアに誘導して、実際に確認をして決断を下すべきでした。にもかかわらず、ビデオ判定で状況を判断してしまったのです」

 今回の一件は決して、VAR導入を後押しするものにはならない。ドルトムントのツォルクSDは「誰も理解できない」「明らかな事だったのに」と苦言を呈している。しかしながらドレース氏は「決してそこまで大きなダメージを与えるほどのものではないと思います」との考えを示しており、「人間である以上、ミスを完全になくすことは厳しい」とした上で、「この重要な試合で騒ぎとなってしまったことは残念です。これからさらに取り組み続けていきたいと思いますし、そうじゃなくてはいけません」と言葉を続けた。「まだ審判員にとってもまだ、ビデオ判定のなかで時折、未知の経験をしている状況にあるのです。」


 そしてその状況は導入から3年が経った今もなお変わることはない。ドレース氏によれば昨シーズンでは合計82のミスジャッジが修正された一方で、10度のミスジャッジがVARが介入せずに避けきれておらず、2度VARの介入によってミスジャッジが起こってしまった。またVAR導入については技術的な部分について検討がなされているところであり、ブンデスリーガでは判断に透明性をもたせるため、TVの視聴者に対して審判員が確認しているビデオ、さらにはVARとの会話の内容を聞き取れるようにすることが考えられている。「ただあくまで判定を下すのは、審判員です」と、ドレース氏は強調。

 その一方でW杯の時のように、スタジアムにいる観衆に対しては、これまでも引きつづきテキストによる基本情報だけが提供されることに。その理由としてドレース氏は、まずスタジアムのスクリーンへ何を映し出すかは各クラブの判断であること、そしてブンデス2部でも導入されたことで設備により大きな差が生まれていることを指摘。それでもドレース氏は透明性を持たせていくことで、ビデオ判定技術導入への理解が高まっていくことを期待している。しかしそれにはこの1年、さらに長い時間が必要になることだろう。
 


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