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2020年03月02日

ホップ会長への誹謗中傷で、バイエルンがとった行動に称賛の声

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 土曜午後に行われたTSGホッフェンハイムvsバイエルン・ミュンヘン戦において、主審を務めたクリスチャン・ディンガート審判員は、2度に渡り試合の中断を余儀なくされた。その理由は、バイエルンの一部のファンが、相手ホッフェンハイムのディとマー・ホップ会長を誹謗中傷するプラカードを掲示したためである。

 これに対してバイエルンのフリック監督、サリハミジッチSD、ルメニゲ代表や選手たちは、観客席に向けて身振り手振りで訴えかけており、最終的にディンガート主審は選手たちをロッカールームへと引き上げることを命じた。またルメニゲ代表は最初の中断の際に、ホップ会長を抱擁する姿が見受けられており、また2度目の中断後は、選手たちはただ平和的にボール回しをするだけで試合を終えている。観客席からは温かな拍手が送られた。


 スカイに対して、ルメニゲ代表は「あれは選手たちが抗議のため主審と話して決めた」と説明。「バイエルンの一員としてあのような行為は恥ずかしく思う。クラブ全体、リーグ、連盟が一体となって対抗していかなくては」と述べ、また謝罪したホップ会長には「謝罪できるようなものではない」としつつ、「この騒動を全て録画した。断固たる措置を講じる。そんな輩はスタジアムに足を踏み入れるべきではない」とコメント、なおドイツサッカー連盟は今週初めから調査を開始する。


 またホッフェンハイムのゲルリッヒ代表は、バイエルンが見せた姿勢やシグナルを高く評価し、「ドイツサッカー界として」行動で示す時がきたとの見解を示し、「この試合で選手たち、そしてファンたちは素晴らしい姿勢」を見せたと賛辞を贈り、特にファンたちに対して、「こういった行為を撲滅していくため、観客席から貢献できる部分というのは、非常に大きなものがあると思う。」と訴えた。


 またホップ会長に対する誹謗中傷は、その日の夕方に行われた1.FCケルンvsFCシャルケ戦においても見受けられ、後半開始が遅れるという事態が発生。ホッフェンハイム、そしてシャルケでも監督も務めた経験ももつ、ケルンのギズドル監督は「まず残念でならない。このようなことがあってはならないこと。だからこれが注目されないようにすべきと思う」と指摘している。


 相手のシュナイダーSDも「理解できない。ホップ会長は多大なる社会貢献をした人物であり、いったい何が動機となって、あのような高慢な行為が行えるのか?」と疑問を投げかけ、バイエルンとホッフェンハイム選手の行動について称賛。火曜のバイエルン戦、週末のホッフェンハイム戦などで「同様のことがあれば、選手たちを引き上げさせる」と宣言した。


 いったいこれらのファンたちの動機はいったい何だったのか?それはドルトムントの一部ファンがホップ会長を長年に渡り誹謗中傷した事を受け、ドイツサッカー連盟が2年間の無観客処分を下した事に関連したものであり、表現の良し悪しの問題はある前置きしつつも、バイエルンのファングループの1つは自身のHPにて「観客席からのメッセージで試合を中断することはやりすぎだ」と、むしろクラブ側の姿勢を批判。

 

 1.FCウニオンでマネージャーを務めるルーネルト氏は、そういったファンの声というのも「受け入れるべき」との見方を示しており、「それでどの試合も中断をするようでは、難しいものになってしまうよ」と警鐘を鳴らし、個人に向けた誹謗中傷行為については批判しつつ、ファンたちらと共に「お互いに話し合い、コミュニケーションをはかっていくことが重要なんだ」とも訴えている。


 一方で同じくホップ会長への誹謗中傷で中断される事態となった、ドルトムント戦に臨んでいたフライブルクのシュトライヒ監督は、特定の人物や人種などに向けたこういった騒動が「ここ10ヶ月ほどの間で」目に余るものがあると感じており、「そういった事、選手が侮辱されるようなことや、肌の色や異なる宗教など」の主張の場としてサッカーが利用されるならば「中断すべきだ。サッカーよりも大切なものがある」と言葉を続けた。


 そのフライブルクで会長も務める、ドイツサッカー連盟ケラー会長もバイエルンvsホッフェンハイム戦での姿勢を評価し、このような「憎しみ」の表現が「この社会、そしてサッカー界」でも見受けられており、「一致団結して臨む」必要性を訴え、「こんなことを続けてはいけない」と警告。むしろ「もっと早くから対処すべきだったとの声もあるだろう」と指摘し、ドルトムントの無観客処分について、改めてルールに抵触した事への措置であると強調している。
 


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