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2020年03月04日

5度PK止めたバッツ、4部でも「ドイツ杯決勝まであと1つ」

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 ザールブリュッケンの人々にとって、火曜の夜は忘れられない一時となったことだろう。ドイツ杯8強へ唯一下部リーグのクラブとして、4部相当の1.FCザールブリュッケンがフォルトゥナ・デュッセルドルフとの一戦へと臨み、そしてPK戦にまでもつれ込んだ結果、満員のホームのスタジアムは熱狂の渦に包まれることになったのだ。

 「みんなが、本当に素晴らしいパフォーマンスを見せたんだ」と、GKダニエル・バッツは試合後にコメント。自らを決して表立って見せようとはしていなかったが、しかしとりわけ「素晴らしいパフォーマンス」をみせていた選手こそ、このバッツ本人である。「僕のパフォーマンスについては、周りで判断してもらえれば良い。僕としてはゴールに向かってきたものを、全て防ぐために全力を尽くしたということ。それが今日はうまくいったし、もちろんそれはみんなにとって素晴らしいことさ」

 言うまでもなくこの試合では、ザールブリュッケンは格下としてデュッセルドルフ戦へと臨んでいた。だがそれでも前半からむしろザールブリュッケンから積極的に仕掛け、その結果トビアス・イェニッケが見事な先制ゴールを決め試合を有利に展開していく。だが終盤に入った後半83分にデュッセルドルフへとPKを献上するも、それはバッツがヘニングスを見事に止めてみせたのだが、90分についにヨルゲンセンへ同点弾を浴びてしまった。

 「もちろん気落ちしたさ。全身全霊で守っていたし、うまくいっていたからね。それでもゴールを許してしまった」とバッツ。「でもチームメイトに、まだ試合は終わっていないと。延長に入るし、誰も僕たちにそんなこと期待さえしていなかったはずなんだ。気合いを入れるように促したよ」

 そして延長に入り、再び息を吹き返したのは、むしろ4部のザールブリュッケンの方だった。この延長戦では内容的にもザールブリュッケンが上回っており「この120分間でみせた、僕たちのパフォーマンスは本当に見事なものだったと思う」と、バッツも胸をはる。

 だが延長戦に入り、後手に回ったのはむしろザールブリュッケンだ。一人目のツェルナーが失敗し、さらに両チームとも一人ずつが外して、最後の5人目デュッセルドルフのシュテーガーが決めれば敗退という状況へ。そこで放ったシュートは決して悪いものではなかったが、バッツが素早く反応して窮地を脱した。

 しかし6人目のアンドリストまでも失敗。再び後がなくなったザールブリュッケンだったものの、ツィマーマンのシュートを読み切ったバッツが見事セービング。その後は互いに譲らず、両チーム20人目となった同点弾を決めたヨルゲンセンの左隅へのシュートを、またしても完璧に読み取ったバッツが、この日だけで5度ものPKを止める大活躍でドイツ杯準決勝進出を決めている。

 「(ドイツ杯決勝の地)ベルリンまで、あと1つだ」そう宣言したバッツは、「あと1試合。ワンマッチであれば、どんな可能性だってあるもの。それは今日の試合からも見て取れたものだよ。僕たちは準決勝進出を果たした、これは歴史的快挙だ!」と、喜びをみせた。
 


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