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2021年03月11日

コロナ危機が改めて浮き彫りにした、クラブ経営の問題点

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 15年連続で売り上げの記録を更新し続けてきたドイツサッカー界だが、2019/20シーズンではそのとき以来となる、低迷期を経験することになった。2020年3月に発生した新型コロナウィルスの蔓延により、昨季の最終9試合が無観客開催となった影響を受けてのものだ。

 これによりブンデスリーガでは、歴代記録であった2018/19シーズンの収入40億200万0ユーロから38億ユーロにまで低下。(2部は7億8200万ユーロから7億2600万ユーロ)つまり正確には2億7370万4000ユーロの低下が見られており、負債は3億7448万8000ユーロ増加。これは悪いシグナルで、コロナによる損失を差し引き、またTV放映権料は2200万ユーロ増加しても、負債総額21億5000万ユーロとなっているのだ。

 そしてコロナによる本当の影響を目の当たりにするのは、今シーズン終了後ということになる。すでに10億ユーロの減収が見込まれており、12月にドイツサッカーリーグ機構のクリスチャン・ザイファート代表取締役は「昨季はせいぜい微風といったところだ、いまは嵐が訪れている」と発言。サラリーや移籍金による支出を大幅に削減しなくては、いくつかのクラブでは倒産の危機へと直面することになるだろう。

 今回の結果がわずか9試合の無観客試合であったことを考えれば、全試合無観客となる今季は、この影響だけで7億ユーロの損失が見込まれている。加えてこの要素には、今回の発表の中に最後の4・5試合のシーズンチケットホルダー保有者が、払い戻しの権利を放棄していたという点を考慮していない。またスポンサーシップ、マーケティング、マーチャンダイジングなどの分野での減収も待っている。

 ドイツサッカーリーグ機構からの細かな分析によれば、観客からの収入が1億5670万〜3億6350万ユーロ、移籍金の収入が8080万〜5億9430万ユーロ、それ以外の収入では3820万〜2億8180万ユーロ、テレビ放映権料が610〜14億9000万ユーロ、広告からの収入が4340万〜8億8880万ユーロ、マーチャンダイジングからの収入が840万ユーロ、減少していく見通しだという。


 売り上げ記録連続更新というバブル期から、突如としてコロナ危機に見舞われたことで、改めていかにクラブ経営陣の仕事ぶりが怠慢であったかも、如実に現れる結果にもなった。確かにコロナの影響を2019/20シーズンに受けていたとはいえ、その売り上げ高は10年前の2倍以上を記録しているのだ。だがその期間で選手たちのサラリーは2倍の14億5000万ユーロ、移籍金に至っては4倍の9億1000万ユーロと爆発的上昇をみせている。

 一方でTV放映権料では3倍近くとなる17億5000万ユーロへと跳ね上がっており、今回のコロナ危機によって改めて過去10年間において、クラブがサラリー、代理人費用、移籍期で、金銭感覚を失っていた代償を払う結果となってしまった。そして現在のサッカー界は、これまで以上にメディアへと大きく依存している。

 10年前のメディア収入は、ブンデスリーガ全体の28.48%(2部32.86%)だったものの、現在では39.17%(2部36.71%)を占めており、それ以外の低迷を踏まえれば今季終了時点では半分にまで達するかもしれない。なによりバランスシートにおける驚愕の数字は、ドイツのプロサッカー界の負債は、10年前に比較して3倍となる、21億5000万ユーロへと増加していることだ。

 以前にサラリーキャップ制度導入も提案した、ザイファート代表取締役は「コロナ危機はその強大さをもって、ドイツサッカー界のみならず世界中のあらゆる分野の生活を、不測の事態へと陥れてしまった」と述べ、「過去20年間、ブンデス1部と2部は、将来の発展を築いていくための基盤を構築してきたが、しかしながら今回で甚大な影響を受けたことを考えると、規律をもった先見の明のある経済政策が、全てのクラブにとって必要不可欠であるという事実に変わりはない」と語った。
 


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