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コラムソース: |  2022年05月12日

マンチェスターCのハーランド獲得が意味する、プレミアリーグ自体が抱える課題

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 世界で最も高額なサラリーを得ることになった選手の獲得が、「バーゲン価格」と評されるリーグは、世界広しといえどプレミアリーグ以外ありえない。たいていの評論家たちは素晴らしい契約で、マンチェスター・シティがエルリング・ハーランドを獲得したとみている。英紙ガーディアンは「買えない人には非常に高く、買える人にはお得」という言葉でまとめており、おそらくこれはドイツの移籍市場を指したものだろう。

 富裕層と貧困層、富裕層と超富裕層:高額な配当金を得られるチャンピオンズリーグで2年連続決勝を争ったプレミアリーグとその他のヨーロッパサッカー界、プレミアの他のクラブたちと、圧倒的資金力をみせつけるマンチェスター・シティ。そしてその格差はとかく拡大をみせる一方である。これまでも高額を投じて選手を獲得してきたマンチェスター・シティだが、スター選手獲得という点においては昨夏にはハリー・ケイン、この夏ではポール・ポグバなど、失敗こそすれその移籍方針の転換が感じられるもの。

 そしてこのマンチェスター・シティの勢いは、このままプレミアリーグ内におけるパワーバランスさえも破壊しかねない、その恐れさえもあるものだ。リヴァプールのユルゲン・クロップ監督は、「残念ながら、非常に良い獲得だ。マンチェスター・シティにとっては非常に良い、そしてそれ以外の人たちにとっては残念な、ね」。とコメント。


 確かにプレミアリーグの優勝争いは最後までもつれこみ、またクリスチアーノ・ロナウドを獲得したクラブが欧州リーグの舞台にも立てない可能性があるという点では、このリーグは今のところはまだ例外的だ。それでも投資家に対して無制限に解放しているこの状況で格差が拡大していくことは、つまりどのクラブも豊かという今の状況を、今後ますます崩していくことも意味する。

 つまりそれはブンデスリーガにおいて、バイエルン・ミュンヘン一強時代に終止符を打つための方法として、プレミアリーグと同様の政策導入を思い描くような人たちに対する、1つの警告だともいえるもの。誰もが豊かにできるようなリーグ作りというものは、単純にそれだけで盛り上がり続けるというような安易なものなどではなく、あくまでそれもまた単純に一時的な盛り上がりに過ぎないものということなのだ。
 


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