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2018年06月24日

kicker誌チーフ:「良い意味でも悪い意味でも象徴的存在となったクロース」

Germany
.ドイツ代表
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文:オリヴァー・ハートマン(訳:kicker日本語版)

メキシコ代表戦での敗戦後、ドイツ代表ヨアヒム・レーヴ監督に対して、なぜ最近のワールドカップ4大会のうち、3大会で前回王者がグループリーグ敗退へと追い込まれていると思うか?との質問が寄せられた。「他の国がなぜそうなったのか、そんなことは私は知らない。我々ではそんなことは決しておきない。グループリーグ突破を決めてみせる」

しかしグループリーグ第2戦スウェーデン戦では、まさにその危機的状況が95分間まで続くこととなり、もしもあのままドローで終わっていれば、第3節の韓国戦前に、ドイツ代表は自力でのグループリーグ突破が消滅するところまで追い込まれていたのだ。ドローではグループリーグ突破は困難となる。だからこそ敢えてレーヴ監督は、ボアテング退場という数的不利の中でも、あえてヘクターとブラントを代えて攻撃的選択をチョイス。その勇気が功を奏し、内容的には申し分ない戦いぶりをみせていたのだが、勝利という形で結果として報われることに成功している。

確かにドイツ代表はこの試合の前半でも、前の試合でみせていた目的意識の欠如、うぬぼれ、軽率さなどを露呈する場面が見受けられた。この試合ではまさにトニ・クロースがその象徴的存在といえ、前半ではらしくない致命的なパスミスから、相手にカウンターを許すと、その後は十分に守備に意識を傾けられず思わぬ形で失点。だが後半では闘争心や結束力をみせたチームの中で、クロースは高いテンポとゴールへの推進力を後押し。そして試合終了間際の最後のチャンスで、CL4度優勝のプレイメイカーはその強靭な精神力と見事なまでのテクニックを、あのフリーキックに織り込みゴールネットを揺らしてみせたのである。

ソチの夜は、大きな歓喜とともに幕を閉じた。しかしこのハッピーエンドは、今回のワールドカップで成功を収めていくための、あくまで小さな一歩にすぎない。グループFでは全ての参加国にトーナメント進出の可能性が残されており、これから連覇を狙うドイツ代表の前には、勝たなくてはならない試合が6試合待ち構えている。そしてこの日の戦いでは、いかに勝利と敗戦というものが紙一重であるのか、運というものがいかに大きな影響を与えるものなのか、を改めて痛感させられた試合でもあった。特に特に前半12分に、リュディガーのパスミスからカウンターを受け、PA内でボアテングがベリを止めたシーンについては、もしも主審がPKの判断を下していたとしても決して文句はいえないものだっただろう。

また選手起用という点でも、これまでレーヴ監督からの寵愛を受けてきたケディラやエジルが先発から外れたように定位置争いでもギリギリの戦いが続く。ただ両者が先発から外れたことは、パフォーマンス面を考えれば十分に理解できるものではあったが。


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