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2018年10月23日

サッカー選手に押し寄せる弱年齢層化と、出場試合数増加の壁

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 現在ドイツにおいて最も議論がなされているテーマとしてあげられるのが、今夏にロシアで行われたワールドカップにて、連覇を狙いながらもグループリーグ惨敗に終わった『ドイツ代表再建』だ。続投を決意したヨアヒム・レーヴ代表監督は、9月から始まったネイションズリーグでは、世代交代を一新するのではなくそれまでの主力を中心に修正を加える形で対応。だがここまで1分2敗。特に宿敵オランダに対しては、0−3と惨敗を喫している。

 そこであがってくる疑問、それはトーマス・ミュラーやマッツ・フメルスといった選手たちがすでにピークをすぎているのではないか?ということだ。確かにまだ両選手ともに今年の2018年に29、30才となる選手であり、ワールドカップ期間ではまだ20代としてプレー。特に昨今では食事管理、体調維持やトレーニング方法の改善など、選手寿命が伸びてきたという印象を少なからず受けるものだが・・・。

 そのなかでも特に目立つ存在となっているのが、今年40才を迎えブレーメンでジョーカーとして活躍をみせるクラウディオ・ピサーロ、先日シャルケとの単年契約を結んだ36才の守備の要ナウド、そしてフランクフルトが延長交渉をみとめた元日本代表主将の長谷部誠たちであり、ブンデスリーガにおいて老いてますます盛んという言葉を体現している選手も決して少なくはない。

 だが昨日にTransfermarktから発表された、最も大きく価値を下げた選手のトップ10を占めたのは、ロベルト・レヴァンドフスキ、マッツ・フメルス、トーマス・ミュラー、、ジェローム・ボアテング、マテウス氏から指摘があったマヌエル・ノイアーや、そして香川真司ら29才から32才までの選手たちの名前が顕著に見られており、逆に最も価値を上げた選手としてトップ10入りした選手では、A代表から招集を受けてまもないジェイドン・サンチョ、カイ・ハヴェルツはじめ、ヤコブ・ブルーン・ラーセン、ライス・ネルソン、ルカ・ヨヴィッチ、アルネ・マイアーらが浮上するなど、19、20才でチームの主力を務める選手たちも珍しくはなくなった。

 実際に11Freundeによれば、ブンデスリーガ全体の平均年齢は10年前と比較し、26才4ヶ月から25才7ヶ月へと約1才近く若返っている。ちょうど10年前といえば現在ライプツィヒにて監督を務めるラングニック監督の下、昇格組ながら前半戦でバイエルンを抑え首位で折り返したTSGホッフェンハイムの平均年齢が23才台ということも話題となっていた頃だ。しかし現在は、首位を走るボルシア・ドルトムントが先日のシュトゥットガルト戦で送り出した選手たちの平均年齢が、実に24才台を記録するメンバーを起用しているのである。

 ただ確かにサッカー選手としてのキャリアは、単純に年齢の数だけで推し量るものではない。年齢と並ぶもう1つの重要な数字として、これまでの出場試合の数がある。昨今ではその試合数の多さから、選手寿命を短くするのではないかとの指摘もなされているところだが、11Freundeによれば29才になったばかりのトーマス・ミュラーはこれまでキャリア通算590試合で出場。これは36才で現役を引退したゲルト・ミュラー氏(534)、さらには38才で引退したフランツ・ベッケンバウアー氏(584)を超える試合数を、すでにこなしてしまったということになるのだ。

 ちなみに昨年に33才で惜しまれつつ現役を引退したフィリップ・ラームについては、まだまだこれからも第一線でやれるという認識を強く残した選手ではあったのだが、しかしそのラームの通算出場試合数はなんと756試合。これは同じくドイツ代表主将としてW杯を制覇し、39才でキャリアを終えたローター・マテウス氏の通算出場試合数762と並ぶ数なのである。特にミュラー氏、ベッケンバウアー氏、マテウス氏がキャリアの終焉を米国で迎えていることを思えば、むしろラームは自分自身のことをしっかりと認識していた上で、現役引退を決意していたのかもしれない。
 


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