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2021年03月18日

UEFA、チェフェリン会長の観客動員要求と真逆の立場を示す

Germany
.ドイツ代表
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 UEFAは今夏に延期されたユーロの開催地に対して、明確に観客の動員を求めていないことを明らかにした。だがこれはアレクサンデル・チェフェリン会長の口から出された言葉とは、大きく矛盾する内容なのである。

 その開催地の1つがドイツのミュンヘン市ではあるのだが、今はその開催へ疑問符がつく事態となっているとこと。先日にUEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長はクロアチアのメディアに対して、「全ての開催地は観客動員を保証できなくてはならない」という考えを語ったのだ。「確かにいくつかのシナリオは用意しなくてはならないが、その中には無観客での開催が含まれることはない」

 kickerからの問い合わせに対して、UEFAは12の開催都市(ミュンヘン、アムステルダム、バクー、ビルバオ、ブダペスト、ブカレスト、ダブリン、グラスゴー、コペンハーゲン、ローマ、サンクトペテルブルク、ロンドン)については、4月7日までに開催シナリオを提示する必要があることを認めたものの、しかしたとえ無観客開催であったとしてもそれで除外されることはないと断言。

 ただ「別の会場で行うことがよい意義のあるものかどうか」の判断をしなくてはならないとした。そのためどんなに早くとも、4月20日に開催されるUEFAの総会までに、フォーマットが確定するようなことはないだろう。「理想的には12か国全てで開催できること。ただいくつかの国が条件を満たせない場合には、10か国や11か国という可能性だってある。」とチェフェリン会長。

 最近ではキャンセルされる可能性のある都市について憶測が飛び交っており、その中にはバクー、ダブリン、ビルバオ、グラスゴーなどが挙げられているところ。逆により多くの試合が、すでに予防接種が進みイングランドで行われる噂も浮上している。

 当初のUEFAの計画通りならばドイツ代表は、グループリーグのフランス代表戦(6月15日)、ポルトガル代表戦(6月19日)、ハンガリー代表戦(6月23日)が、ミュンヘン市にて全て開催される予定だ。


 しかしミュンヘンのディーター・ライター市長はチェフェリン会長の発言に苛立ちを見せており、「現時点においてコロナ感染の危機について、6月に観客を動員できるかどうかを断言することなどできない。特にこのような時期にあれば、UEFAの責任者としてはむしろ、開催地と直接やりとりをして、一緒に答えを探して欲しいところだね。」と批判を展開。
 
 つまりはもしもUEFAの思惑通りに事を運ばせたいと思うのであれば、そのためにサッカー界は更なる”特権”を行使するということになり、そんな特別扱いが果たして国民に受け入れられるのか、増加する現状や危機的状況を踏まえれば疑問は残る。ドイツ社会民主党のダグマー・フライターク国会議員は「サッカー界はパラレルワールドにあるようだ」と皮肉った。

 なおミュンヘン市が自ら候補地を降りる考えはなく、今後は時間的な制約からもこの問題は、月曜日に州と国の間で協議されることになるだろう。とはいえファン自体が大陸を横断するような形は、今のところは決して想像できるものではない。現状の規制においては、ファンの国境越え自体がほぼ不可能な状況にある。


 そしてドイツサッカー連盟としては4月はじめにUEFAへとコンセプトを提出することになるのだが、同連盟では今回のチェフェリン会長の発言はあくまで、不安定な候補地となっているグラスゴー、ダブリンらに対して、プレッシャーをかけることが狙いとみている模様。

 オリヴァー・ビアホフ氏は、「きっと特定の国や政府に、もっと積極的になるように、再び明確なシグナルを出したいということなのだろう」と述べ、「もちろん、スタジアムに再び観客が戻って来れればとは思っている」が、あくまで「我々の計画はミュンヘンでの開催に基づいたもの。プランBは無い」と明言した。

 ちなみにコロナ危機前にUEFAでは、今回のユーロによる収入が20億ユーロに上ることを見込んでいたものの、そのなかのほぼ4分の1がチケット販売が締めている。
 


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