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2021年06月04日

ドイツ代表がデンマークとの腕試しでみせた「光と影」

Germany
.ドイツ代表
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 ユーロを間近に控えたテストマッチとしては、十分な満足感を得られるものだったかもしれない。献身的なプレーをみせ、得点チャンスも作りだせており、守備面においてはわずか1度しか決定機を許すことはなかった。だがそれでも得点はわずか1点に止まり、逆にそのワンチャンスを許して不必要な痛み分けに終わることになる。とりわけ絶好機という点ではノイハウスのゴール以外では乏しいものがあった。

 「この試合では光と影が見受けられた。良いアプローチも見受けられていたよ。長時間に渡って我々は、チームとしてよく守っていた。しかし後半の途中で、またコントロールを失ってしまったんだ。守備面では不注意から失点へと繋がってしまったよ。あれはロストと、オフェンスが安定しなかった局面で生まれてしまったもの。ただまだ練習して数日しか経過しておらず、まだ一緒にプレーしていなかったチームで、不安定になることは想定済だったがね」

 これはあくまでテストマッチであり、確かに非常に密度の濃い準備期間中であることを考慮するならば、そこまで結果について嘆く必要はないだろう。ただそれでもこの試合を良い出だしとできなかったことについては関係者にとって残念なことであり、またベテランのミュラーやフメルスの復帰というタイミングで、できればそれを実現しておきたかったはずだ。


 改めて、今回のポジティブな面としてレーヴ監督は「コミュニケーションについてはよかった。指示出しの声が大きくて、以前のように静かなものではなくなっていたよ。得点に関して言えば、ペナルティエリア付近からのシュートもよかったし、それは常にこれまで見受けられていたものではない。全体的によかったのは姿勢と抵抗力。すべての局面とまではいかないが、改善は見受けられた」と説明。

 一方で不足点については「一貫性、つまりは90分間通じてしっかりと戦えることが課題だ。オフェンスでは動きにいくつか正しくないものがみられたし、これから取り組む課題はあるよ。これからさらにもう1試合のテストマッチを経て、1週間をかけてフランス戦への準備をしていく。失点の場面でのズーレは確かに中央でもっと早くパスコースをカットできただろうし、マッツのポジショニングもよくなく、パスを防げる状態にはなかったしね」と述べている。

 しかしながらフメルスについては後半では、フィジカル的に問題を抱えていることは明らかであり、「マッツは合宿はじめに、膝の膝蓋腱に問題を抱えていたんだよ。だからスプリントではすこし問題あってね。それが後半になって少し、また違和感を覚えたようだね。ただ慢性的なものではないし、1日休養をとれば、また回復できるだろう。」と指揮官。ちなみに火曜の練習で内転筋を負傷し大事をとったエムレ・ジャンは、金曜から練習復帰の見込みだ。

フランス代表を意識した3バック


 この試合でレーヴ監督はユーロ初戦フランス代表戦を意識して、昨年11月のチェコ戦以来となる3バックを採用。「この大会では、どこまで無失点に抑えていけるかがポイントとなってくるはずだ。トーナメントの中で追いかける展開を余儀なくされれば、難しいものとなってしまうよ」とベテラン指揮官。その点でみればドイツ代表ではこの日のギンター、ズーレ、フメルスに加え、CL優勝後に合流したリュディガーと充実しているといえるだろう。

 だが逆にいえばドイツ代表はこれから、中盤ではギュンドアン、クロース、ゴレツカ、FWにはヴェルナー、ハヴェルツが更に加わっていくという布陣の中で、オフェンスへの出場枠を1つを失っているということでもあり、また今回のデンマーク戦では安定感を重視しすぎるあまり、右サイドのクロスターマンはほぼ前にでることができず、左サイドのゴセンスも後半からようやく仕掛けていく様子が見受けられた。得点を決めてアピールした」ノイハウスは不在のメンバーにプレッシャーをかけたが、それでもキミヒもいる中盤では再びベンチにへと下がることになるだろう。

 仮に4バックに変更するならば、それだけ前線における存在感が増していき、守備と攻撃の連携が改善されていくようになるかもしれない。しかし今回を見る限りレーヴ監督は、自分たちの強みを強化していくよりもむしろ、弱点克服の方向へと舵を切ったように見受けられる。そしてきっとそれが、今回の準備期間において異常なほど、ドイツ代表がセットプレーに時間を費やした理由でもあるだろう。
  


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