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2021年06月11日

クロースへの懐疑の声に、レーヴ監督「何も目新しいことではない」

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 トニ・クロースに向けられる懐疑の声に、ヨアヒム・レーヴは理解することができないようだ。ドイツ通信社とのインタビューの中で、同氏は「特定の選手に対して異なる見解の声があがること、そういった選手がもつキャラクターを議論の対象とすることは、何も私にとって目新しいことではない。素晴らしいという声もあれば、弱点になるという人もいる。そういった話は、トニ・クロースにも何度かあったものだ」とコメント。

 例えば元ドイツ代表指揮官ベルティ・フォクツ氏は、「t-online」の取材に対してクロースとギュンドアンの中盤コンビでは「フランス代表へ蹂躙されることになる」と指摘。だがこういった声にもレーヴ監督は冷静さを失うことなく、「長年、代表監督を務めているからこそ見えてくる部分もある」と述べている。

 そして7年前のワールドカップ優勝を振り返り、「2014年のラームやシュヴァインシュタイガー、クローゼの時はどうだったろう?ユーロからW杯までの間に、彼らについて全てがちゃんと語られていた、なんてことは言えないのではないかな。ただこういうことにも我慢が必要だということ。その結果、彼らはブラジルでタイトル獲得に貢献しているのだから」と言葉を続けた。

 これまでドイツ代表102試合に出場し、5つのメジャー大会を経験し今回のユーロに臨むクロースは、レーヴ監督にとっては重要なリーダー的存在であり、「選手それぞれに聞いてみたらどうかな。トニはまさにプロの鑑。あれ以上の準備はできないというほど取り組んでいるよ」と述べている。

 「彼はそのプレーに対する見方、テクニックといった部分も含め、私にとってなくてはならない存在だ。トニは素晴らしいプレーをみせるだけでなく、特に困難な状況において、ピッチ上でコントロールをうまくとっていかなくてはならないときに頼りになる存在なんだ」

26人のクラマーが必要


 またレーヴ監督はSIDとのインタビューの中で、ここまでにチームから受ける印象について「そのエネルギーとコミットメントは最高のものがある」と評価。「成功への野心があり、常にいかなる時であっても準備を怠ってはならない。それを皆が認識できているよ。2014年W杯でのクリストフ・クラマーのようにね。彼が最後の最後で先発出場したのは、彼が常に高い緊張感を保てていたからこそだ」と強調した。

 そして現在、フランス代表との開幕戦を数日後に控え、ドイツ代表の宿舎の雰囲気はそれに相応しいものとなっているという。「チームには良いダイナミズムが見受けられている」とレーヴ監督。「2018年では雰囲気が異なり、チームにはある種の重苦しさがあったんだ。だがそれは今は感じられない。全くその逆で、非常に良いものがあるよ」

 むしろ更なる高まりをみせており、「批判したり、褒めたり、応援したり、牽引したり、励ましたりと、誰もが自分の役割を果たしていかなくてはならないもの」であり、「監督だけではない、全員がその責任をもっている。誰もが配慮し、誤りを指摘し、コミュニケーションをはかっていかなくてはならない。そのメンタリティは2014年の時のように、大会全体を通じて培われていかなくてはならないものだ。当初はシステムに関する考え方などに違いも見られたが、最終的には互いに認め合いワールドカップ優勝に向け全員が邁進することができていたよ」と振り返っている。

 まさに前回W杯王者フランスとの一戦では、その雰囲気やメンタリティが試されることだろう。「彼らは世界屈指のフレキシブルなチームだ。どういう戦い方をするかはわかっていても、あまりにもフレキシブルにプレーできるために予測することが困難だ。それは選手たちの卓越した個人の能力による。彼らは非常に素晴らしく、そして非常に読みにくい」

 また先日のラトビア代表戦でも指摘していたように、その次に対戦するポルトガル代表がもつその「攻撃力」に対しては、「決してミスは許されない」と明言。「集中力が常にピークに達していければ、そこを相手は容赦無く突いてくることだろう」と警告した。
 


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