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2021年07月02日

スタッツで振り返るユーロ2020:ドイツ代表の戦いぶり

Germany
.ドイツ代表
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 ドイツ代表監督としての15年間の最後を飾る大会として、ヨアヒム・レーヴ監督はロシアW杯でのGL敗退という雪辱を果たすため、今回のユーロ2020へと臨んだが、結果はそれよりも1つ上回る16強止まりに終わってしまった。今回レーヴ監督は3−4−2−1システムを採用し、特に両サイドの中盤はオフェンスでは数的有利を作って攻撃陣をサポートし、ディフェンス時には守備陣のサポートへと入る。つまり3−2−2−3と5−2−2−1システムを繰り返す形となり、これがはじめて代表で採用されたのは6月2日のデンマーク代表戦のことだった。

 しかしながらこれには明確な弱点があった。常にドイツ代表が優位に試合の立ち上がりをみせ、そして常に相手にリードを許す展開となったのは、守備面の戦術的な微調整を行えずに、呼吸をうまく合わせることがほぼできていなかったために、容易に崩される結果となっていたのだ。さらに攻撃面でも期待していた効率性は見られず、真の意味での優位性も作れず、チャンスを逃す場面が多く見受けられている。例えばアタランタでこのシステムに精通していたロビン・ゴセンスだったが、しかしながらワイドに開いてしまっていたことで相手の守備陣の裏を突くことができず、その結果キミヒと共にクロスの数は平均4.25と低調なものに。しかも成功率は35%にとどまった。その背後を支えた3バックでも、恒常的にこの形でプレーしていたのはリュディガーのみ。

 それでもドイツ代表はそもそも相手にボールを持たせた時間帯は、スペイン代表につぐ38%のみに抑えており、さらにシュート被弾数は1試合平均6.25本。これは大会参加国中最も少ないもので、ノイアーに向かって放たれたシュート数も両手で数えられる程度。その中で7失点も許したのは、ドイツにとっても計算外のことだろう。ただ効率よく相手が得点できた背景には、逆にドイツ代表が非常に支配的に試合展開を見せていたことが大きく関与している。つまりディフェンスラインの高さであり、平均してドイツ代表は46.27メートル前に立っていた。このアプローチは前線で相手を混乱させることを目的としている一方、カウンターに対しては脆弱になる、まさに諸刃の剣だ。

 それではオフェンスのプランはどうだったか。アウトサイドにボールを配し、パスを供給して、的確に得点を狙っていく。つまり量よりも質を重視した策を講じており、実際にそれはスタッツにも現れており、PA外からのシュートはわずか10本。平均飛距離は13.4メートルで、これも今大会ベストの数値である。加えてセットプレーからの危険性もみせていたものの、大会中の最終的な得失点は6:7。勝利をおさめたのは僅か1試合で、2度の敗戦と幸運な引き分け。全試合失点を喫して、16強での敗退という結果で再び早々に姿を消した。
 


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