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2021年07月29日

独誌kicker記者:ドイツサッカー界にとって恥ずべき敗退

Germany
.ドイツ代表
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 当然のことながら、五輪での早期敗退はドイツのサッカー選手たちにとっても、残念なことに代わりはない。だが決してそれは、驚きを覚えるようなものではなかった。ドイツNo1サッカー専門誌kickerの、ミヒャエル・ファイファー記者によるコラム。

 代表選手を取り巻いた奇妙な環境と、そして即興で大会へと臨まなくてはならなかったことを思えば、むしろ準々決勝に進出していた方が、実際にはサプライズとして扱われていたことだろう。確かにたとえ寄せ集め軍団だったとしても、それでも普段の状態で臨むことができていれば、もっと大きな期待を抱いてもよかったかもしれない。だが実際は違った。

 緻密な準備を予行演習を行なってきた相手に対して、彼らは可能な限りの力を出し尽くし、少なくともその意思や精神面という点では、オリンピックにあるべき姿を示していたかもしれない。だがあのような条件の中では、それ以上のことは到底できるものでもなかった。

 前回のリオ五輪で銀メダルを獲得した選手たちもまた、何方かと言えば今回と同様に寄せ集め軍団というものだった。ただそれでも時間が経つにつれて自分たち自身、そして調子を見出していき、多くの声援と経験、そして評価を重ねていくことに成功。セルゲ・ニャブリにとってはこの大会は、その飛躍のきっかけにもなった。

 だが事態はむしろ悪化を見せていく。それから5年後にはその全てが忘れ去られてしまい、ドイツのプロサッカー界はこのような大会が全ての選手にとってのチャンスと認識するのではなく、結局は再び恥ずべき形で代表チームを送り出してきたのだ。

 五輪はサッカー界にとって傍に置かれた存在でしかない。参加を決意した選手たちはそこで全力を尽くしてくれた。しかしこういった参加に対する意欲はむしろ軽んじられ、単純に価値のないとして捉えられており、22人という規定人数さえ揃えられず、我が国の評判を落とす結果となっている。

 選手の数さえ揃わないなど、恥以外の何ものでもないはずだ。そして最高の努力と献身性をもって戦ってくれた選手たちだったが、そんな彼らに最後に待っていたのは、グループリーグ敗退という余りに辛い結末だった。

 もしも2024年のオリンピック出場に向けて、もしもドイツ代表が再び出場権を獲得したその暁には、ぜひとも各クラブに今回のことを決して忘れずにいてほしい。

 特に今回は通常よりも1年短い。それくらいの時間であれば、まだ記憶には留まっていられるだろうか。
 


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