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2021年10月10日

フリック監督がヴェルナーを擁護「ストライカーには信頼が必要」

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 監督として時には、敢えて行動に移さないことも、重要な意味を為すことがある。それが前回のアイスランド代表戦における、ハンジ・フリック監督がティモ・ヴェルナーに対してみせた対応であり、この日ゴールを決めていなかった同選手をピッチに残し続けた結果、試合終了間際のゴールという形で「根本的」かつ「非常に重要な」結果として報われている。特にフリック監督がそのような言葉を用いた背景にあるのは、チェルシーでの1年半の間で、ライプツィヒ時代のような得点力をまだ見せられないヴェルナーの現状によるものだ。

 それでもヴェルナーとトップの位置で起用し続ける理由は、そのヴェルナーのトップにおける資質に強い確信を覚えていることもさることながら、まだこれから更に覚え込ませなくてはならないという過程を踏まえてのことでもある。そういった意図はこれまでの練習の後にも、ヴェルナーとともに密に話し合う様子からもみてとれた。だが金曜夜に行われたルーマニア代表戦では、その結果を目にすることはできず、後半67分にはミュラーと交代。結局そのミュラーが試合を決めるゴールで逆転勝利に貢献している。それではいったいなぜ、この日のヴェルナーは得点シーンまで遠かったのか?

 「それは彼が求められているポジショニングを、必ずしも果たせていなかったということにある」と、フリック監督は説明。「ニャブリやサネのように、アウトサイドでボールを待っている選手たちと、同じ高さに構えている感じだっただろう」と付け加えたように、「ゴールにあまりに近すぎた」結果、「それより背後にボールが来ると、もうチャンスはない」状況となっており、「彼にはそれ以上のことができる。それが我々が期待していることなんだ」と言葉を通づけている。「もう一度プロセスを磨いていかないとね。ペナルティエリア内で、良いポジショニングを行えるように」

 別の言い方として、ドイツ代表の中には生粋のセンターフォワードがいない、という表現もできないだろうか?スタジアムにあった、シャルケ所属のベテランFW「テロッデはどこにいるんだ?」という、若いファンのメッセージボードもネットでは話題となった。だがこの質問にフリック監督は、「逆に聞くが、生粋のセンターフォワードとは、一体何なのかね?」とコメント。そしてその答えとして、「それはティモ・ヴェルナーだと思うよ」と述べている。「ティモは狭いスペースでも打開でき、跳ね返りに対する感覚にも優れている。ライプツィヒでは毎年25〜30得点を決められるようなストライカーだった。得点の術を知っている選手であり、今はチェルシーというとてつもないクオリティの中でしのぎを削っているのだよ」

 だからこそフリック監督は、自身の考えを貫き通しているのであり、「我々は彼とともにこれからも、一緒に求められているタスクをこなしていくことになる。彼は我々からの信頼が与えられるし、それこそストライカーにとって、最も重要なことなんだ」と強調。その取り組みの成果を示す機会は再びもうまもなく、ワールドカップ本戦出場獲得もかかる、敵地での北マケドニア戦が明日月曜夜に開催されるところだ。
 


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