2022年07月23日
公私とも愛を貫いた”真っ直ぐな”レジェンド、ウーヴェ・ゼーラー氏が他界
ハンブルクのみならず、ドイツサッカー史上においても、もっとも愛されていた選手の1人、ウーヴェ・ゼーラー氏がこの世を去った。85歳だった。ただなぜそこまでドイツ中から愛されるレジェンドとなったのか。この質問に元ドイツ代表主将は肩をすくめるだけで、サッカーやハンブルクについて面白おかしく話すことは好んでも、自分自身や自身のステータスについて口にすることは滅多になかった。ただ一方で「私たちのウーヴェ」という言葉で愛されたという1つの事実からも、いかにその内面性から親しまれていたかが窺い知れることだろう。
ゼーラー氏は常に、実直であり続けていた。それゆえ時に「彼が怒ると『ヤバい!ウーヴェが燃えてる!』なんて叫び声が聞こえた」と元同僚らは回顧する。一方でピッチを離れれば一躍人気者のウーヴェであり、「私は人生は『ギブアンドテイク』だと考えているのだよ。どの人に対しても心を開いて接してきた。とにかくそんな感じだね」とコメント。その実直さは公私ともに表れており、1959年にハンブルガーSVの旧クラブハウスにて結婚式をあげたイルカ夫人と同様、クラブとしてもハンブルガーSVと最後まで一途に添い遂げた。
特に1961年、インテル・ミラノが巨額のオファーを提示し、またエレニオ・エレーラ監督が週明けよりホテル・アトランティックに滞在して説得にあたるも、それでもゼーラー氏は首を縦に降らなかった。「当時のインテルはサッカー界ではまさに究極の存在であり、彼らは欲しい選手を手に入れることができた」が、1日経つごとに金額が上積みされていくという信じられないような状況を目の当たりにしても、ゼーラー氏は「水曜日にはフィーリングで、断りを入れたね」と明かす。「ずいぶんとお金を失ったことだろう。だがこの決断はこれまでもずっと、私に満足感を与えてくれるものなんだ」
こういったエピソードが、ゼーラー氏を真のレジェンドとしたのだ。無論その実績も非の打ち所が無い。例えばキッカー採点では1度たりとも5、6を記録したことがないように。さらに1958年から1970年にかけてプレーしたドイツ代表(72試合、43得点)では4度ワールドカップに出場。「ただできれば4回も出れば世界の頂点にも立ってみたいとは思うものだよね」と、2016年にキッカーに対してコメント。とりわけ1966年決勝のイングランド戦で、疑惑の判定で延長戦の末に敗れたことは悔しい思い出であろうが、それでも審判への同情はないまでもゼーラー氏に恨み節はない。むしろ「あの疑惑のゴールで、ドイツのイギリスにおける評価は更に高まったんだ。タフな判定にも関わらずフェアに振舞ったことを素晴らしいと思ってもらえてね」と前向きだ。
ちなみにドイツ代表ではワールドカップ優勝に大きく近づいたことをがもう1度あり、それは1954年大会でのこと。その時のヘルベルガー監督は若手ストライカーとして頭角を表していたゼーラーを登録しようと試みたが期限が経過。その後に西ドイツ代表は第5回スイス大会でW杯初優勝を果たした。ただクラブシーンでは1960年にハンブルガーSVをドイツ選手権優勝とドイツ杯の国内二冠を達成、さらに1963年には再度ドイツ杯優勝、そしてその後に30得点でリーグ最多得点を果たしており、ドイツ年間最優秀選手賞を3度(1960年、64年、70年)受賞。キャリア通算では588試合に出場して510得点をマークしている。
そうなるとW杯優勝を果たせなかったことだけは心残りでは?この問いにゼーラー氏はむしろ、肩をすくめることなく力強く首を横にふり、「なりたい気持ちはあったけど、だからそれがどうしたというんだね?」と返答した。「若い頃に私はこう指導してもらったものだ。ウーヴェ、決して欲張りになってはいけないよ。そうなると必然的に「壁」にぶつかることになるんだ、とね。そしてこの教えは実際に、私は正しいと思う。私は私の人生に満足しているよ。どこにいっても、みなさんが私のことを歓迎してくれる。これはとても嬉しいことだし、素晴らしいことだ。私はそんなに悪いことはしてこなかったんだな、そう再確認させてくれるものでもあるよね」
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