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2018年09月01日

地元紙:香川真司がマリオ・ゲッツェより残るべき理由

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 欧州の大半のリーグが移籍市場の閉幕を迎えた8月31日、この日に行われたハノーファー戦でもベンチ外となるなど、その動向が注目されていた選手の一人である香川真司だったが、しかしながらこの日に移籍成立の一報が伝えられることはなかった。だがまだ市場が開いていたこの日の午後、地元のサッカー専門メディアであるWestlineのベネット・ヴェンガンツ記者は、マリオ・ゲッツェと香川真司を比較した上で、むしろ香川を残すべきとの見方を示していた。

 今夏にドルトムントはデンマーク代表トーマス・デラニー、そしてベルギー代表アクセル・ヴィツェルを獲得したことにより、中盤の先発メンバーはこれにダフードを加えた3人という様相を呈してきた。ただローテーションや戦術の面も踏まえ、ダフードに関しては入れ替えの余地があり、そこで定位置争いの候補として新加入のゴメス、そしてゲッツェと香川真司の二人のベテランMFの名を挙げている。

 2016年にバイエルン・ミュンヘンから復帰したマリオ・ゲッツェだったが、しかしながらこの2シーズンでは病気の影響もあったとはいえ、リーグ戦34試合でわずか3得点4アシスト。同記者は”今夏は早々にゲッツェに賛辞が贈られ、心身共に復活が信じられていた。W杯不参加ということもクラブに集中できたことでメリットだったろうが、しかし公式戦初戦のフュルト戦では失望を与えた”とコメント。本来はゲッツェが得意とするはずの引いてくるチームを相手にわずか63分で交代を告げられており、その後は先発の座をダフードに譲り、さらにドイツ代表からの選出が見送られる”痛恨の試合”となってしまった。

 現在ゲッツェがみせるパフォーマンスについては、”リーダーシップの欠如”、”試合へのインパクトの欠如”、その上で”700万ユーロにもなる高額の年俸”を問題点としてあげており、”毎年のように、今年が勝負、今年が勝負と言われ続けてきたが、期待と現実のギャップがあまりにも大きすぎる。これはもう十分だろう”とバッサリ。”主力を担えるようになるとは、そこまで信じられないものになった”と言葉を続けている。

 その一方でここのところのパフォーマンスを振り返った場合、香川真司はマリオ・ゲッツェよりも大きなインパクトを残していると評価。確かに昨シーズンはペーター・ボシュ監督の下、キャリアでもっとも苦しい時間の1つを過ごすことになった日本代表MFではあるが、しかしながらペーター・シュテーガー監督就任以降は、負傷で離脱する2月まで”絶対的な主力選手”の一人として活躍。就任から6試合で3得点2アシスト、kicker採点平均は2点代という好パフォーマンスを披露していた。

 ドルトムントでは今夏にパコ・アルカセルを獲得したことにより、ファヴレ監督はグラードバッハ時代に多用していた4−4−2を採用する可能性が考えられるだろう。その中でトップにアルカセル、そしてセカンドトップにマルコ・ロイスが起用されることになるかもしれない。その点で先日ファヴレ監督は香川真司について、セカンドトップのタイプと表現していたことからも、チャンピオンズリーグも含めたタフなスケジュールの中で、ダフードらとの定位置争いのみならず、ローテーションなどでロイスがセカンドトップから外れる場合に香川真司をここで起用することも可能だ、とヴェンガンツ記者は持論を展開。

 つまりサラリー(期待感)とパフォーマンス(現実)の差、そしてポジションへの適性。これらを踏まえ、”仮に香川真司本人が移籍を希望しているということじゃなければ、今年も香川真司にチャンスを与えるということこそ、正しい判断だと言えるだろう”とし、”もしも香川真司を売却して、それでもゲッツェを残すという判断を下すならば、それは理解に苦しむというものだ”と記事を結んだ。
  


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