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2018年10月30日

マリオ・ゲッツェがセンターフォワードとして機能する理由

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 ここ2試合では、パコ・アルカセルを欠いて臨むことを余儀なくされているボルシア・ドルトムント。ブンデスリーガ最速ペースで得点を量産し続けているFWだが、すでに8月の終わりから筋肉系に問題を抱えており、その痛みが限界に達したこと、不必要にリスクをかけずにベストコンディションにしていこうという判断、そしてプランBがここのところはうまく機能していることが、その背景としてあげられるだろう。

 先日行われたCLアトレチコ・マドリード戦での快勝でも、そして週末に行われたヘルタ・ベルリン戦でも、その代役を担ったのはようやく今季初得点をあげたマキシミリアン・フィリップではなく、CMFでの起用が続いていたマリオ・ゲッツェだった。ここ2試合について、ルシアン・ファヴレ監督は「とても良いプレーをしてくれたね」と、納得させる評価。

 26才のMFについては好んでプレーするトップ下やCMFとは異なるポジションというだけでなく、今季は実践経験の不足という問題も抱えていたものの、今回活躍しているのにはれっきとした理由が。

 身長176cmのゲッツェとアルカセル175cmは、ほぼ同じ身長であり。フィジァカルメンで特に長けた選手というわけではない。ゲッツェは「FWとしての役割もよるんだけど」と前置きした上で、「もしも求められるのが空中戦での強さとなると難しいけど、でも今の僕たちのプレースタイルなら、間違いなく僕にとってはしっくりいくものだと思うね」と言葉を続けている。

 ファヴレ監督はそもそも、パスワークに長け相手センターバックを引きつけ味方選手にスペースを作る、さらにフィニッシュにいけるタイプのFWを好む傾向があり、だからこそアルカセルはまさに大当たりともいうべき見事な活躍を披露、得点を量産しているところだ。

 そしてこれまでレヴァンドフスキ、オーバメヤン、バチュアイらが担ってきた『ドルトムントのセンターフォワード』という役目に一石が投じられたことによって、マリオ・ゲッツェにも新たなチャンスが巡ってきたのである。「スムーズにポジションチェンジをし、外から刺激をもたらしたり、背後からマルコがトップ下の位置からきたりと、深い位置に侵入するチャンスができれば、それは素晴らしいことだよね」とゲッツェはコメント。

 まさにこの役割を完璧に果たしているのがアルカセルであり、加えてクレバーさをもった、生粋の点取り屋だ。ただゲッツェに関してはそこまでのクレバーさはないものの、テクニック面ではアルカセルに勝るものがあり、ベルリン戦でみせた素早い直線的な動きで先制点に繋がった場面や、アトレチコ戦での3−0とした場面など、トップの位置でもゲッツェの良さが発揮され、さらにロイスの代わりにトップ下としてもプレーすることが可能だ。

 この2試合でみせたパフォーマンスにより、ゲッツェの出場のチャンスはさらに増していくことだろう。ただ将来的に、ロイスのバックアップが想像できるのか?それともトップ勝負するのか?ドルトムント首脳陣はゲッツェに満足感を示しており、「彼のことはこれからも信じているよ」と、プロ選手部門でマネージャーを務めるセバスチャン・ケール氏。そしてその理由を、マリオ・ゲッツェはベルリン戦、そしてアトレチコ戦で示して見せたといえるだろう。
 


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