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2019年10月01日

ドイツの新星ハヴェルツを引き抜いた、イルディルム医師

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 おそらくは来年の夏には、移籍金1億ユーロを超える金額でトップクラブへと戦いの場を移すことになるであろう、ドイツ期待の新星カイ・ハヴェルツ。そのハヴェルツが幼少期にレヴァークーゼン入りを決断したその背景には、現在チームドクターを務めるブラク・イルディリム医師による影響があった。

 ハヴェルツがまだ8才だった頃の2008年、当時レヴァークーゼンのU10の監督を務める予定となっていた同氏は、早い段階からチーム作りに着手しており、その際にユーススカウトを務めるマルティン・プルム氏から1つの連絡を受けていた。「ちょっと、こっちに来い。必見の選手がいるぞ」

 その言葉に重みを感じたイルディルム氏は考えることなくアーヘンの近郊マリア・ドルフへと向かい、即座に8才だったハヴェルツの魅了。しかし両親にとってはまだ、レヴァークーゼン入りは時期尚早と考えられ、チームに迎え入れることは叶わなかった。

 だがイルディルム氏とプルム氏は辛抱強くコンタクトを撮り続け、プルム氏は機会さえあればどの試合もチェックに訪れ、両親への挨拶を続けた。またイルディリム氏もまた夏や冬で両親との話し合いを行ったりと、ハヴェルツに時間があればレヴァークーゼンに招待して、チームへとなじませていく。

 それでも両親にとっては9才となったハヴェルツのレヴァークーゼン入りはまだ時期尚早であり、最終的にはアレマニア・アーヘンで育成させていくことを決断。しかし間も無くしてそれもカイの才能を収めるにはあまりにも小さい舞台であり、半年後にはU11の監督となったイルディリム氏は、1つのアプローチを試みた。

 両親とハヴェルツをスタジアムへと招待し、そしてベイ・アレナのプレスカンファレンスにてイルディリム氏は、マイクをとって「みなさん、我々が新たに迎え入れた戦力、カイ・ハヴェルツ選手です!」と、名前が入った背番号10のユニフォームを手渡したのである。

 そこでハヴェルツの母が、「カイを突き動かしたいのですね」と口にすると、イルディリム氏は「ええ、2年前からね」と返答。それから9年がたち、改めてイルディリム氏は「カイは、少なくとも感動を覚えていたとは思いますね」と振り返った。その結果、他クラブとの競合となったもののハヴェルツはレヴァークーゼン入りを決断。10才ながらレヴァークーゼンのU12にて迎え入れることになる。

 ハヴェルツがシャルケでも、グラードバッハでも、ケルンでもなく、バイヤー・レヴァークーゼンへと加入し、ベイ・アレナにてドイツ中のファンを熱狂させるに至ったその背景には、現在はチームドクターを務めるイルディリム医師の努力があった。
 


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