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2020年04月28日

2012年と今のボルシア・ドルトムントの違いは「結束力」

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 現役時代にはビーレフェルト、ドルトムント、ブレーメンなどでブンデスリーガ通算156試合でプレーしてきた経験をもつ、パトリック・オヴォモイェラ氏。なかでも特に大きな成功を収めたシーズンは、やはりドルトムント時代の2012年。国内二冠達成を挙げることができるだろう。現在はそのドルトムントにて、ブランディングアンバサダーを務める同氏が、kickerに対し当時のチームと現在のチームとの比較について語った。

 「当時のチームは、数年かけて成長させていったチームだった。重要なポジションについては、3・4年ともにプレーしてきた選手たちが担っていたし、経験豊富な選手もいれば、若い選手もいる。うまく組み合わされたチームだったと思うね」そう振り返った同氏は、さらに「そのクオリティという部分では、ピッチ上だけにおさまるものではなかったんだ」とも強調。すなわち意味するところは、チームの団結力とスピリット、仲間と共に戦うというその姿勢にある。

 「どんなに少なくとも、僕たちは週に一回は、みんなで一緒に食事会を開いていたし、それに週末には一緒に祝っていた。あの時はとにかく元気者が集まっていてね、四六時中いるといった感じだった。すくなくとも大勢のグループではそうだったね。ミーティングだけでなく、みんながそれを望んでいる、それ以上の人たちもいないという感じだったんだよ」

 だが今のチームでは「そこまで多く目にする事はできていないね」と述べており、ただこのことへ批判を口にするつもりはなく「家族がいる選手がたくさんいるし、まっすぐ自宅に帰る。それは間違いなく良い事だ。ただ、あと当時とは違うということだよ」とコメント。「チームだけが大切なのではない、もっと大切なものがあるということさ」と説明。

 また当時との違いを感じる部分は、それだけにとどまるものではない。例えば食事という点では、当時は専属のシェフなどなく、イタリアレストランから「パスタとクリームソースが送られる」程度だったが、いまは栄養学をはじめとして選手達の育成という部分で、かなりの進展が見られており「ずっと早いうちに選手として出来上がっている」と、オヴォモイェラ氏。そのためチームにアクセントをもたらすことのできる10代の選手達ももはや珍しいものではなく、例えば今季でいえばサンチョやハーランドらを挙げる事ができるだろう。

 そういった背景からも、2012年のチームと単純に比較することは決して容易なことではないが、ただ当時のチームと比較するならば「足下のプレーでいえば、あの時よりは2倍は良いのではないか」と見ており、今の若者達は「本当に大きなクオリティをもっている」と称賛。「ただ時に恋しさも覚えるものさ」とも言葉を続けており、当時ほどの団結心が生まれないもう1つの理由としては「海外を渡り歩く選手たちも少なくない。そういったところが、そこまでの結束力を生み出せない部分に影響しているかもしれないね」と語った。
 


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