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2020年04月28日

アンドレ・シュールレに残された3つの選択肢。残留、移籍、そして引退。

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 果たしてアンドレ・シュールレは、ブンデスリーガへと復帰するのか、引き続き海外に戦いの舞台を求めるのか、それとも現役生活にピリオドを打つのか?ドイツの首都ベルリンにて足首の骨折から回復を目指す同選手は、今のところはまだ沈黙を保ったままだ。

 確かにレンタル先であるスパルタク・モスクワでは、ドメニコ・テデスコ監督より「負傷などの不運もあったが、その人間性と豊富な経験により、ロッカーでとても重要な存在だった。若手にも模範となっていた」と評価。移籍当初は順調な出だしをみせていたものの、それでも定められた買取オプション行使を決断させるものではなかったことは、すでに明らかとなっている事実だ。

 今後について考えられるシナリオとして、まず契約を残すドルトムントへの残留が考えられるが、ただこれまでシュールレはファヴレ監督の下で構想外となっており、さらに定位置争いも以前にも増して激化。厳しい状況に変わりはなく、居場所となるのはベンチ、もしくは下部チームとなることだろう。また契約が残り1年ということから、和解金を得る形での契約解消も考えられるオプションではある。ただ1年という契約期間のため、もしもレンタルを目指すとなると、最長で半年しかできないというネックも。

 移籍のパターンとしてはまず海外、チェルシーやフラムで過ごした経験をもち、シュールレ自身が好印象をもつイングランドについて、確かにコロナ危機に頻しているとは言え財政面では強固なものがあるといえるだろう。さらにコロナ危機という点を踏まえると、移籍にあたっては生後間もない子供も含めた家族の健康面も考慮して、医療システムが充実している国ということも念頭に置くはずだ。その点ではドイツも選択肢だが、ただ前述の金銭面についてどこのクラブがその要求に応えられるだろうか。

 そもそも移籍金額はシュールレの責任によるものではないのだが、しかしながらそのことによりあまり良いイメージがもたれていないのもまた事実だ。

 ドイツ代表として57試合に出場して22得点、特に先発は19試合しかなく2419分間でのこの成績は目を見張るものであり、マインツでの飛躍、ワールドカップ準決勝での2得点、そして決勝での優勝弾のアシストなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで邁進し続けたシュールレ。しかしながらその後は監督からの信頼の欠如、コンスタントにパフォーマンスを発揮できない、怪我や病気、自信の喪失など、かつての栄光は色あせていく日々を過ごしてきた。確かにそれらの責任の一旦はシュールレにある。だが全てではない。

 果たしてアンドレ・シュールレは、これからどういった決断を下すことになるのか。ドルトムント残留か、移籍か、それならば海外か国内か、それとも現役生活にピリオドを打つ事になるのか。今はまだ、ワールドカップ優勝戦士は沈黙を保ったままだ。
 


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