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2020年08月21日

ヘイニエルを2年半前から狙っていた、ドルトムント

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 ヘイニエル・ヘスス・カルヴァーリョ、ほんの少し前までは恐らく、この名前はほとんどのサッカーファン、そして専門家たちの間でも知られていなかったことだろう。だがボルシア・ドルトムントのミヒャエル・ツォルクSDのメモには、実は2年半前からヘイニエルの名前は記されていた。2018年に当時ブラジルU17、U18の両方でプレーしていた同選手は、遠方からかけつけたドルトムントのスカウト陣を納得させるパフォーマンスを披露。「彼は当時チームの主将を務め、早い時期から責任を担っていたんだ」と、ツォルクSDは振り返っている。

 だが間も無くして所属するフラメンゴのトップチームでも活躍をみせるようになった同選手は、数多くのクラブにリストアップされるようになり、その中には圧倒的財力を誇る、レアル・マドリードのようなクラブも。そして今年の1月に18才を迎えたヘイニエルは移籍金3000万ユーロでレアル入り、まずはセカンドチームのカスティージャにて、レジェンドのラウル監督の下、欧州での第一歩を記した。「おそらく彼には不安もなかっただろう。きっと自信をもち、自分のもつ力もしっかり理解できたはずだ」

 そう語ったツォルクSDに間も無くして、再びヘイニエル獲得のチャンスが訪れる。レアルでは早い段階でレンタル移籍が功を奏するのではとの判断に至っており、そこでアクラフ・ハキミがレンタル移籍によって飛躍を果たした、ボルシア・ドルトムントが浮上したのだ。長年に渡りレアルとの良いコネクションを構築してきたことが、ここでも功を奏して遂に、ドルトムントは2年間という期限つきながらヘイニエル獲得に成功する。

 「その素質に関して言えば、ほぼ全てを持ち合わせているといえるよ。ただパフォーマンスの安定化をはかっていくためには、もっと成長していかなくてはならないがね」と、ツォルク氏は評価。それと同時にドルトムントとしては、コロナ危機の影響によりヘイニエルが長期間に渡って実戦から遠ざかっていた事も踏まえつつ、「慎重に」チームへと組み込んでいく必要性も理解しており、そうする事で徐々に、ファヴレ監督が求めていた新たな戦力としてオプションとなることだろう。

 それは昨季の後半戦よりジョヴァンニ・レイナが示してみせたように、ほぼ全ての攻撃的ポジションでプレー可能な若武者は、試合に慣れてくるとドルトムントのオフェンスに対して数の上でも、戦術面でもフレキシブルさをもたらせることは経験済み。そこでヘイニエルはトップ下のみならず、ウィング、そして必要に応じてトップの位置でもプレーすることは可能だろう。ただその場合はハーランドのようなCFと単純に入れ替えるのではなく、2トップの一角ならば考えられるはずだ。185cmと高身長で「フィジカル」な18才は「欧州、特にドイツとの相性が良い」とツォルクSD。2年半に及んだ念願が実現し、これからはヘイニエルの成長を、その目の前で見守っていくこととなる。
 


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