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2020年08月22日

昨季課題の4バックに、敢えて取り組むドルトムント

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 ここまでボルシア・ドルトムントが行ってきた2試合は共に、試合のイニシアチブをとっての勝利であり、そしていずれも4バックを採用しての戦いでもあった。これは最初の2週間の練習の様子をみれば、決して驚く事ではないだろう。指揮官は練習の中にこのフォーメーションのみのトレーニングを重ねてきたからだ。昨季はあれほど採用していた3バック/5バックではなく。

 昨季後半戦でのkickerインタビューにおいても、ルシアン・ファヴレ監督が4バックを信奉していることは既に明白なことではあった。ただそれでも昨季前半戦で不安定な戦いを露呈した布陣であることを踏まえても、これは十分に議論の価値のある問題だと言えるだろう。

 後半戦において巻き返しから最も好例を挙げるとするならば、おそらくラファエル・ゲレイロということになる。左サイドバックに配置することは、彼の良さである判断力、決定力、コンビネーション力といった部分を相殺してしまうことにつながらないか?

 さらに流れ的にはCBコンビの左側には、ダン=アクセル・ザガドゥが起用される見込みだが、しかしながらザガドゥこそ昨季の3バックの恩恵を受けて定位置を確保できた選手である。

 そのザガドゥ固定となれば、同じく左利きのマッツ・フメルスは右へとスライドするということにもなる。確かにトゥヘル監督時代では2015年開幕前にここでプレーはしていたものの、最終的にはいつものポジションに落ち着いていたものだ。

 またCBとしてドイツ代表入りを目指したい左利きのエムレ・ジャンにとっては、これはボランチでの役割に長期的に収まることを意味する。確かにそこではジャンのもつ積極性を活かせるところではあるが、決して彼自身が求めるものでもない。加えて中盤の争いはヘイニエルやベリングハムの加入などにも見て取れるように、明らかに激しさを増した。

 ただ逆に言えばファヴレ監督としては中盤に厚みを持たせ、2つしかないCBのバックアップを中盤からも引っ張ってこれるという狙いもあるのかもしれない。ウィーンとのテストマッチではSBのトーマス・ムニエがCBだったが、つまりジャンに話を戻すと、試合中であったとしても、中盤から下げるだけで3バックに試合中造作もなく変更可能に。

 それによって中盤もまた形を変えて対応をしていくことになり、つまりは柔軟性が増していくことによって相手チームからは読まれにくくなるという効果もでてくる。状況を見極めながら、できるだけ早く試合中に対応をするという点でみれば、その方がスピード感が増してくるともいえるだろう。
 


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