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2021年01月26日

忘れられない1週間を味わった、ロマン・ビュルキ

Borussia Dortmund
ボルシア・ドルトムント
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 2020年10月はじめにルシアン・ファヴレ監督が、ロマン・ビュルキからマルヴィン・ヒッツへと、GKの入れ替えを行った際にはチームの内外で緊張感が走った。なぜ特に問題がなかったにも関わらず動きにでなくてはならなかったのか?そして3試合で出場したヒッツも何も落ち度がなかったにも関わらず、再び先発の入れ替えを行なったのだろうか?

 現在ではそのファヴレ監督はチームを後にし、エディン・テルジッチ監督が指揮をとっているところだが、週末に控えるアウグスブルク戦にてもしも、GKを行う場合に上記と同様の議論が巻き起こることは、おそらくはないだろう。グラードバッハ戦、バイエルン戦、そしてCLラツィオ戦で好セーブを見せるなど、順調なシーズンの出だしをみせたビュルキだったが、最近1週間については悪い意味で忘れられないものとなってしまった。

 1−1と痛み分けに終わったマインツ戦で喫した、エズトゥナリによるロングシュートはおそらく、ビュルキの手の届かないものではなかっただろう。レヴァークーゼン戦での敗戦では、11セーブという今季のリーグ記録を更新したが2失点を許すことにもなり、さらにグラードバッハ戦では跳ね返ったボールを押し込まれるなど、4失点を許している。

 つまりビュルキはこのわずか6日間で合計7失点を許したということであり、今季通算16試合でみても26失点を許すことに。この失点数はチーム内でも厳しい声が挙がっているところであり、その批判対象からビュルキも外れるわけではない。経験があるからこそチームの牽引を期待される選手たちの中で、フメルス、ロイス、アカンジ、ジャン、ゲレイロらは不安定なパフォーマンスを露呈。チームに自信を与えることができていない。またビュルキに関しては以前よりファン、そして一部の専門家から懐疑的な声が挙げられていたが、ただ確かに移籍初年度では不安定な部分を露呈していたものの、ここ数年は目立って安定感を増し、ミスの数を大幅に低下させてはいった。

 ただそれでもスタッツ的に見た場合、ビュルキの数字はkicker採点平均3.13、セービング率は64.9%と、月並みなものであることに変わりはない。それでも昨季と比較するなら、実は3.18/59.6%と、むしろ若干の上昇をみせてはいるのだが。もちろんこれだけのスタッツでビュルキのパフォーマンス全てを評価するのは難しい。例えば前述にラツィオ戦では終盤での見事な好セーブ連発でCL本戦行きを確保してみせたのだ。

 それでも海外に目を向ければなおさらに、ブンデスリーガ内でみても、ペナルティエリア内での支配やビルドアップという点でみて、ビュルキよりも優れたGKいることもまた、議論の余地のないものだろう。いくら昨夏の契約延長時にミヒャエル・ツォルクSDが高い評価を強調していたとしても。

 特にビルドアップについては、最近では相手に突かれる場面も見受けられている。例えばレヴァークーゼン戦ではフメルスとアカンジに積極的に仕掛け、ビュルキにロングボールを強制的に蹴らせた結果、先制点へとつながってしまった。そしてドルトムントは一度リードを許してしまうと、それから1勝2分7敗と非常に厳しい結果がデータとして示されており、だからこそよりGKに対する高い信頼感が求められるという部分もある。

 果たしてそれはこれからも引き続き、ロマン・ビュルキが担っていくことになるのか。その判断をエディン・テルジッチ監督は迫られることになるだろう。そして長年アウグスブルクにて守護神を務めたマルヴィン・ヒッツが、ここで再び先発返り咲きを果たすかもしれない。ちなみにドルトムントはヒッツが出場したリーグ戦においては、いずれも無失点での勝利をおさめている。
 


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