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2020年01月06日

4バックを磨くフランクフルト、「リベロ」長谷部誠の立場は?

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 経験豊富なMF長谷部誠を、最終ラインへと配置して3バックの中心として起用する。この素晴らしいアイデアを発案したのは、ニコ・コヴァチ前監督だった。その役割で開花した元日本代表主将は、そこで素晴らしいポゼッションと落ち着き、視野の広さとビルドアップにおけるクレバーなボールの供給を披露。確かに今季の前半戦においても、長谷部はほぼ欠かせない存在にはなっていたものの、しかしながらパフォーマンス自体は昨年と比較できるものではない。それは同選手自身も認めるところであり、今月18日に36才の誕生日を迎えるベテランは「前半戦での自分のパフォーマンスには満足していません。コンスタントさに欠けていました」と語った。

 もしもヒュッター監督が後半戦において、フォーメーションを4バックとした場合、長谷部にとっては自身の定位置を失う危機へと貧することになる。日曜日に行われた練習ではセンターバックとして、主将アブラームと共にプレーしていたが、しかしながら左側には本来マルティン・ヒンターエッガーが控えており、今は風邪のために練習参加が見送られているところ。だが少なくともランニングメニューはこなせているところだ。

 長谷部はこの状況について冷静にみており、「定位置争いはつきものです。もしも4バックを採用するのであれば、僕たちにはリベロは必要ありません。そうなれば僕は、MFからCBにて定位置争いをする必要があります」とコメント。そして前向きに「そもそも僕たちはまだ、3バックなのか4バックなのかもわからないですし、でも多くのオプションがあることは良いことだと思います」と述べている。

 前半戦最終節のパダーボルン戦では、フランクフルトは今季はじめて4バックを採用した、長谷部自身はどの役割に対しても用意ができており、「両方のポジションで準備して、どこでプレーしてもチームの助けにならなくてはいけません。確かに中盤から離れて久しいところはありますが、でもキャリアを通じてボランチでプレーしてきましたから」と説明。

 4バックを採用した場合、右サイドバックではチャンドラー(両サイド)とダ・コスタ(右)、ドゥルム(両サイド)、トゥーレ(右)、ヌディカ(左)と5つのオプションが控えているところであり、左のウィングではコスティッチが君臨。しかしガチノヴィッチも以前にこの役割でプレーしたことがある。

 右のウィングでは特にダ・コスタやドゥルムを考えることができるが、しかし前述のガチノヴィッチに加えて鎌田大地もオプションとして考えられるだろう。一見驚きを感じるかもしれないが、中盤をフラットにした4−4−2や4−2−3−1システムでは、ウィングはサイドバックとの関係性からラインに貼り続けるのではなく、幾度となく内側に切れ込む動きもみせるものであり、スピードとドリブルに長けた選手を右ウィングに配置することは決してチームにとって悪いことではない。

 そのいずれものシステムに対応できるだけの選手層をフランクフルトは既に誇っており、木曜日に行われるヘルタ・ベルリンとのテストマッチでは、興味深い最初のお披露目となるかもしれない。「前半戦では、僕たちは多くの試合があったために、ほぼ戦術的なトレーニングは行えませんでしたから」と長谷部。それが今回は次の試合であるホッフェンハイム戦までに、2週間を費やしてバリエーションを増すことを目指せるという違いがある。果たしてフランクフルトはどういった守備陣を採用してくるのだろうか?今は予想はできない。ヒュッター監督自身も手の内をみせるようなことはまずなく、おそらくはその試合まで隠されたままとなることだろう。
 


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