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2020年06月16日

再開から好調の鎌田大地、ピッチ上でも契約上でも伸び伸び

Eintracht Frankfurt
アイントラハト・フランクフルト
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 スキーをたしなむアディ・ヒュッター監督は、我が目を疑ったことだろう。サッカーのピッチ上で、マルコ・シュヴァルツ級のスラロームをみせる選手がいる???「彼の風貌が日本人じゃなければ、きっとオーストリア人と信じたろうさ」と、オーストリア人指揮官は笑顔を浮かべながら、その卓越した個人技を振り返った。

 セルビア代表MFマルコ・グルイッチ、ドイツ代表DFニクラス・シュターク、そしてドイツユース代表DFジョーダン・トルナリガ、鎌田大地はまさに踊るよう相手を翻弄し交わしてみせた・・・。だがこれは、コロナ危機後に日本代表MFがみせている、上昇気流の中での1つのプレーにすぎない。

 これまでカップ戦でしか得点をみせていなかった鎌田大地だが(ドイツ杯2得点、EL6得点)、再開後はフライブルク戦、ヴォルフスブルク戦でいずれも貴重な場面で得点を決めており、そして今度はアンドレ・シルバへ「スラローム選手のような」動きで逆転弾を御膳立てをみせている。

 「とにかくプレーしたけです」と謙遜をみせた鎌田大地は、「ドリブルは自分の強みですし、あの場面ではうまく抜けられたと思います」とコメント。そんな日本人らしい控えめな姿勢のなかで、鎌田大地についてヒュッター監督はシーズンの序盤から、「以前よりも笑顔が増している」との印象を明かしていた。この言葉が意味するところは、昨シーズンでは鎌田大地はVVシントトロイデンへと武者修行が功を奏したということ。

 鎌田は海外文化のなかで実戦経験を積むことを通じ、人間として一回り大きく成長を果たしており、昨夏にフランクフルトへと復帰すると、そこから一歩一歩「サプライズ候補」(ヒュッター監督)という存在から、鎌田はすぐにチームにとって欠かせない存在へと飛躍。それはここまでリーグ戦26試合に出場するなど数字に表れており、いまや紛れもなく主力選手の一人となった。

 そんな鎌田とフランクフルトとの契約は2021年まで残されているところであり、フランクフルトはすでに契約延長希望を公言してはいるものの、合意に至らなければ今夏は移籍金を得る機会、という判断の狭間に揺れることになる。このような状況から鎌田にとっては現在、ピッチ上のみならず契約状況下でも心地よい状況となっており、特にこの日にテクニシャンがみせたような素晴らしいプレーは、その後押しとなれどその逆に働くようなことなど決して無いものだ。
  


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