ドイツ最大のサッカー専門誌 - kicker日本語版

2021年09月09日

コスティッチが謝罪も、火種含みのメッセージ

Eintracht Frankfurt
アイントラハト・フランクフルト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


 セルビア代表から復帰したフィリプ・コスティッチは、木曜日から再びアイントラハト・フランクフルトへと再合流する予定となっているが、それに先駆け水曜日には、自身のインスタグラムについてこれまでの事について謝罪を掲載。しかしながらそれもまた、新たな火種となる可能性を秘めたものとなっている。投稿内容は、以下のものだ。

 「僕はアイントラハト・フランクフルトを愛しているし、ここにある全てのものに対する感謝の気持ちも持っている。ビーレフェルト戦では、精神的にパフォーマンスを発揮できるような状況ではなかった。あれは決してストライキなどではない。誤解を与えてしまったファンに対してお詫びをすると共に、サポートしてくれたチームメイトたちに感謝もしている。僕に謝罪をすべき人もいるのだけど、でも今は僕たちにはこれから困難なシーズンが待ち構えている、そのような暇はないんだ。気持ちを強く保ち続け、チームが僕を必要としてくれているので、クラブのために戦い続けていく。何よりもアイントラハト・フランクフルトのために!」

 この発言の中には、いくつかの点で奇妙な部分が見受けられる。事実コスティッチは、ラツィオ・ローマへの移籍を切望しており、最終調整やビーレフェルトとのアウェイ戦の参加を拒否した。その結果、彼はチームメイトを失望させ、マルクス・クレーシェSDとオリヴァー・グラスナー監督を苛立たせていたのだ。アイントラハト・フランクフルトの内部の誰も、28歳のセルビア代表のメンタル面での不足など考えてもいない。よりよいサラリーを受けた際に、そういった感情に襲われる・・・?よほど奇妙な偶然でもない限りありえないだろう。実際セルビア代表でのプレーを見る限りは、さして心配を抱く必要はなさそうだ。

 kickerが得た情報によればコスティッチは2年前、ヨーロッパリーグにて活躍をみせた後に、フランクフルトを離れてトップクラブへの移籍を希望していたものの、その時には特に関心を抱くクラブがなかった。そして今夏には金銭面での大幅な改善を得られた、ラツィオへの移籍の可能性を手にしており、その点では新天地へ渡りたいという気持ちは理解できるものの、それでもラツィオが提示した1000万ユーロという移籍金額は、決してフランクフルトを納得させられるようなものではなかったことも認識すべきである。

 そして今回、ストライキを行った事自体を否定することは、単なる屁理屈をこねたものに過ぎないことも。もはや労働拒否とも呼べるだろうが、そもそも今回の謝罪文自体、いったい何に対して謝罪しているのかさえも不明だ。まず今回のことに対する洞察部分が欠如している。さらに他にも謝罪すべき人がいるという不可解な結論からの謝罪に、いったいどれほどの信用度があるというだろう。そもそもその意図している人物は誰なのか?この夏から就任している、グラスナー監督やクレーシェ取締役?はたまたメデイア?彼自身の代理人?それともラツィオに向けられたもの?

 全体的にこれは、現実を否定するような発言だ。それでも少なくともコスティッチからは、クラブのために戦うという文言は付け加えられている。その言葉をいったいどこまで実証していけるのか、それはコスティッチ次第だ。今後数週間のうちにそのようなパフォーマンスを発揮できれば、まもなくしてここのところの騒動も沈静化をみることになるだろう。チームメイトも首脳陣もコスティッチのための扉を開いており、怒りもあるだろうがそれはここでは賢明な対応だ。もしもコスティッチが話し合いにも理解を示すならば、すぐにピッチに戻ってこれるのだから。

 ドイツの大衆紙ビルトでは、日曜日に控えるVfBシュトゥットガルト戦では、コスティッチに対して出場停止処分がクラブより課せられると伝えているが、いまのところはまだその真偽のほどは不明。仮にコスティッチとの話し合いが建設的なものになるのであれば、シュトゥットガルト戦で起用しない理由は特にないだろう。慈善団体への寄付さえあれば十分なはずだ。
 


  • ブンデスリーガ・各チーム情報