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2022年03月04日

長谷部誠:ドイツ15年目で学ぶ、サッカーの奥深さ

Eintracht Frankfurt
アイントラハト・フランクフルト
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 アイントラハト・フランクフルト所属の長谷部誠が3月2日水曜日、まず現地時間13時よりドイツ人記者向けの会見を、そして13時半からはバーチャル形式にて日本人記者向けの会見を、それぞれ行なった。そこで改めて長谷部は、38歳という年齢での契約延長の喜びと、まだ1年で現役を終えるとは決めていないこと、そして引退後のコーチとしての役職はトップチームかユースチームか、その時にクラブ側と改めて話し合うことを明らかにしている。

 ただその一方で長谷部自身はまだ、現役の終え方と同様に、指導者の道を引退後に歩むということも、決めてはいない。それでも昨年秋よりドイツサッカー連盟がスタートさせた「プレイヤーズ・パスウェイ」を通じて、「頭をもの凄く使い、辞書をめくって」勉強にも励みながら、選手生活を続けているところだ。「もっと若いうちにしておけばよかったですね」では一体なぜ、長谷部は敢えて指導者コースを受けているのか?

 「高いサッカーのレベルの中にいると、すごく学ぶことも多い。選手としてやってて、すごくそれを感じる」と長谷部は説明。そういった探究心から「こういう高いレベルの中でやれるチャンスがあるのなら、チャレンジしてみたい」と始めたことであり、そして早くもその好奇心はくすぐられているようで、「いろいろ、面白いことがありますよ。」と目を輝かせる。

 それは例えば「タレントとは何か。当然、才能が前提にくるけど、それに成長のポテンシャルがどれだけあるかで、時に才能を凌駕する」といったことや、「ジェネレーションについて。例えばスマホを禁止しようとしても、今の若い人たちはスマホでメモや管理したり必需品。だから単純に禁止はできない」といった内面性、人間的な部分。そして「練習の作り方、組織化などを今は学んでいて、それで練習が意図するところを意識して普段から練習するようになり、監督の考えもより理解できるようになった」など、38歳でまた新たなサッカーの魅力を感じるきっかけにもなった。

 だから、今は「指導者の道に進むことは、かなり可能性がある」と考えられるのも頷けるが、「でも選手と指導者というのは、やってて全く違うと、まだやりはじめだけど思える」とも長谷部はコメント。「よく名選手は必ずしも名監督にはなれないなんて言われるけど、自分は名選手ではありませんがこっちで長くプレーしたからといって、指導者としてうまくできるかは全く別の話だと、僕も感じますね」と言葉を続けている。

 だがその長谷部自身の中に、指導者としての『成長のポテンシャル』を、マルクス・クレーシェSDらクラブ首脳陣が感じ取ったからこそ、今回の2027年までという異例の契約形態として反映されている。だから今は違う側面からサッカーの奥深さを感じながら、選手として更に成長し、少しずつ指導者としての歩みも進めていけるだろう。「クラブが評価してくれて、これだけのチャンスを与えてくれました。それを逃す手はない思いました」と、長谷部は今回の延長の理由について語った。
 


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