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2022年07月21日

38歳にして、また1つ大きな夢を実現させた、長谷部誠

Eintracht Frankfurt
アイントラハト・フランクフルト
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 「アイントラハト・フランクフルトで再び、チャンピオンズリーグの舞台に立ちたい」そう語っていた長谷部誠の夢は、3年前はスタンフォード・ブリッジにて、ヨーロッパリーグ準決勝敗退という形で打ち砕かれた。だがその2年後にはそのヨーロッパリーグで見事優勝、再びチャンピオンズリーグへの舞台を手にしたのだ。

 それでは長谷部誠はどうか?確かに年齢は38歳となったが、彼はブンデスリーガにおけるメトセラである。プレーの面においても、また人間性という点においても模範となる存在であり、新シーズンではリヒャルト・クレース(38歳と360日)を上回って、クラブ史上ブンデスリーガ最年長選手となる可能性もあるのだ。「もちろん38歳でブンデスリーガでプレーできていることに誇りを感じます」という長谷部ではあるが、ただ可能性のある記録に特に興味があるわけではない。

 元来プロ意識が非常に高い長谷部のライフスタイルは、たとえ歳を重ねていっても20歳年下の同僚についていける程のフィジカルコンディションを実現させている。クレーシェSDは「23歳の頃の私は、38歳の長谷部ほどのフィジカルなんてなかったよ」と驚きを隠さない。そんなベテランに対して、今回のヨーロッパリーグ優勝、そしてチャンピオンズリーグ復帰というのはむしろ当然の報いともいえるのではないか。

 実に2009年12月8日、ヴォルフスブルクでマンチェスター・ユナイテッド戦以来となる「チャンピオンズリーグは本当に楽しみですね。ここ3・4年、アイントラハトでCLに出場することが夢だと言い続けてきました。ピッチで自分の良さを発揮できれば、そのチャンスが得られるかもしれない。あとは自分次第です」と長谷部。なおその時はドイツ王者として臨み、CSKAモスクワ、ベシクタシュ、マンチェスターUのグループの中で3位という結果に終わっている。

 一方で長谷部はチームにおける自身の役割を2つに分類している。一方ではトゥータのような若手選手に助言を与えつつ、一方でチーム内での激しい定位置争いを展開していくということ。当然ながら出場に向けて闘志を燃やしているところだ。そしてそれは実際に手にできるだろう。巧みなポゼッション、優れた洞察力、素晴らしいビルドアップは、とりわけ層を厚くする相手には要求されるスキルだ。

 長谷部はこれから迎えるチャンピオンズリーグイヤーを前に、強力なチームをもってシーズンに臨むと胸を張る。「ここ2・3週間では、自分たちのクオリティを維持するのみでなく、さらなる改善がみられることに気づきます。新戦力は非常にいいクオリティを持っていますし、対等な2つのチームを持ててます」とコメント。グラスナー監督の下でチームは非常に充実し、また自身も多くを学んでいる。一方でリーダーヴァルトにあるユースセンターにも足を運んでトレーニングについて実践しているところであり、B級ライセンスも取得した。

 「良い指導者になると思うよ」とクレーシェSD。「彼のように全体像を理解でき、すでに指導にもあたれるような選手というのは良い指導者になると思う。全方位的な視野を持ち、自分が何をしているのか、どのように人を配置していかなくてはならないかを正確に把握できている。実際に彼はピッチ上のコーチなのだよ」ただ疑問は1つだけ残る。いつ現役選手としてのラストイヤーを迎えるのか?「今年で最後とは言ってますがね」と語った長谷部は、「でもまた変わるかもしれません」とも付け加えた。 
  


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