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2020年05月29日

道徳的疑問を残したポルターの拒否。ウニオンは出場停止に

fc-union-berlin
1. FCウニオン・ベルリン
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 コロナ危機を受けて1.FCウニオン・ベルリンでも、既にサラリーの一部返上を決定していたのだが、しかしセバスチャン・ポルターがこれを拒絶したことは、特に結束が求められる現在において、大いに道徳的に疑問が残るものだといえるだろう。首都決戦での英雄はいまや、明確な汚名を背負いクラブを後にすることになる。

 これまでウニオンで過ごした4年半のなかで、ポルターはブンデスリーガ1部2部通算104試合に出場し、46得点をマークするなど立派な数字を記録しており、それだけでなく弛まぬ努力とファンとの距離の近さからも、ウニオンファンから特に愛される存在となっていた。そしてポルター自身も、ウニオン・ベルリンは心のクラブと語っていたのだが・・・。

 しかしながらその時間は奇しくも先週の首都決戦、ヘルタ・ベルリン戦を最後に突如として終焉を迎えた。ウニオンは木曜日に、同選手を出場停止とすることを発表。その理由として選手、コーチ陣、スタッフ、マネジメントらとの結束を乱す姿勢をみせたためとしており、どうやらコロナ危機を受けサラリーの一部返上で合意していたのだが、ポルター自身はこの支払いを拒絶したようだ。

 これまでピッチ上でのプレーでは、特に批判するようなものを見せることはなかったが、ただピッチ外の部分では、個人的な利益が最優先とも受け取れるような印象を与えることもあった。例えば2月に行われたインタビューの中で、ポルターは自らが正当に評価されているようには感じられないと不満を公言し、ウニオンからの退団を発表している。


 ウアス・フィッシャー監督の下、ブンデス復帰を果たした今シーズン、バックアップの役割に甘んじていたことへの不満はあっただろう。それは理解できるものだ。だが今回のサラリーの一部返上を拒否するということは、特に現在は社会において絆が求められているなかで、道徳的に非常に疑問が残るものである。特にポルターは前述の通り、ウニオンのことを熱く語り、サポーターとの価値観の同一化をアピールしていたからだ。

 確かにクラブ史上初の1部昇格に貢献したメンバーの一人としてクラブを後にすることにはなる。だがそれと同時にポルターは、明らかに欠けた部分があるところもまた、これまでの一連の騒動により露呈する結果となってしまった。
 


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