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2018年11月02日

独サッカー大使監督賞のエンゲルス氏、3日のドイツフェスでイベント開催

ドイツフットボール・アンバサダー
DeutscherFussballBotschafter
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 2018年5月8日、ハイコ・マース外務大臣も参加したドイツフットボール・アンバサダー2018の授与式が、首都ベルリンの中心部にある外務省で行われた。そしてその”メインプライス”にあたる、栄えある監督賞を受賞した人物こそ、28年前にドイツから日本へと渡ったサッカー指導者ゲルト・エンゲルス氏だ。

 だがいったい何故、昨年に監督を務めていなかったエンゲルス氏が今年、サッカー大国ドイツにおいて、これほどまでの賞を受賞したのか?その理由は、この賞が設立された初年度、名誉賞を受賞した『日本サッカー界の父』と称される、もう一人のドイツ人指導者を通して知ることができる。

 デットマール・クラマー。サッカー大国ドイツが誇る、偉大な指導者の一人だ。「サッカーには人生の全てがつまっている」そう考えていた同氏は、その指導理念として「心の教育の場」とも捉えていた。「サッカーというのはね、”思いやり”のスポーツなんだ。この競技ではまず最初に、パスを出す相手の立場になって考える。そこからスタートしていくものなんだよ」

 華麗なテクニックだけでなく、”思いやり”の気持ちを持つということ。世界最大規模の競技人口を誇る、この『サッカー』の指導者として、それこそがクラマー氏が国を超えて伝えたかったことであり、それと同時にこれはサッカーが持つ重要な本質を見事に言い表した言葉だともいえるだろう。この賞を2011年に設立したローランド・ビショッフ氏は、その理由について以下のように述べている。


 「世界中を行き来する中で、私はいかに多くの海外にいるドイツ人指導者たちが素晴らしい仕事をし、そしてそのことによって我々ドイツがポジティブな印象を抱いてもらっているのか。そのことを目の当たりにしてきました。私はこの賞を通じて、決して名前の大きさに関わることなく、その社会貢献に対する「ありがとう」の気持ちを表現したいと思ったのです」

 そして最初に監督賞を受賞したのは「ホルガー・オーバーマン氏」であり、選手賞は「サミ・ケディラ選手」。そして最初のドイツフットボール・アンバサダーの名誉賞は、「デットマール・クラマー氏」へと手渡された。

 「彼との出会いを通じて、私はその素晴らしい人間性、卓越した専門知識、そして日本の文化に対する深い愛情と造詣に触れることができました。そしてそれは、今回受賞したゲルト・エンゲルス氏にも相通じるものです。」


 ゲルト・エンゲルス氏は日本へと渡った1990年から約20年に渡り、横浜フリューゲルス、ジェフユナイテッド市原・千葉、京都パープルサンガ、浦和レッズなど、監督・コーチを歴任。そのなかで天皇杯を通算5度(1993年、1998年、2002年、2005年)、浦和レッズ時代にはJ1リーグステージ優勝(2004年2nd)、Jリーグ優勝(2006年)、AFCチャンピオンズリーグ優勝(2007年)を果たしている。

 今回の受賞にあたり、同氏は「日本は、私にとっての第二のふるさととなりました。我々の国の間には非常に多くの共通点が見られます。私はコーチとしての職務を愛していますし、子供たちと一緒にサッカーを取り組んでいくことも大きな喜びです」と喜びを述べ、「サッカーは子供たちを”チームプレイヤー”へと、たくましく育てていってくれるものです。そして子どたちは、ピッチから離れてもたくましい大人へと成長していきます」とコメント。

 さらに、エンゲルス氏は「スポーツは社会福祉活動」という信念のもと、「東北げんKIDS!プロジェクト」を提言。生活が一変した被災地の子どもたちへの日常的な運動・活動の機会を提供し、自立性を促して復興再生を担う将来のリーダーを育成するなどを目的として、2015年からサッカーを中心とする活動「Mit Ball Spass(ミット・バル・シュパース)」がスタート。ドイツサッカー協会支援の下、福島県いわき市に本拠地を構える特定非営利活動法人 Zukunft Lokal (ツークンフトロカール)が運営している。


 なお11月1日から5日にかけて東京・青山公園に行われているドイツ連邦共和国大使館主催イベント、「ドイツフェスティバル~絆をつなごう ドイツと日本」では、文化、グルメを通じて両国の文化・伝統交流を図り、昨年は東日本大震災の被災者支援のためのプロジェクトも数多く紹介。

 そして11月3日15時すぎからは、東北げんkIDS!プロジェクトのステージイベントとして、ドイツフットボール・アンバサダーの創設者であるローランド・ビショフ氏を招いて、ゲルト・エンゲルス氏への授章記念イベントが開催される。入場料は無料(ただし飲食は有料)。


 


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