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2022年01月29日

グラードバッハ、エベールSD時代の終焉とその意味

Borussia Mönchengladbach
ボルシア・メンヒェングラードバッハ
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 金曜午後にボルシア・メンヒェングラードバッハは、既報通りにマックス・エベールSDの退任を発表した。退任の理由については「疲労困憊している」と述べ、「私にはもう、この仕事で求められているだけの力がもうない。」とコメント。「それがこの数週間、数ヶ月にわたり、23年過ごしたこのクラブを後にすることを話し合ってきた理由なんだ。まさに私の人生そのものだった。それに今、終止符を打つことになる。」と涙を浮かべながら語っている。

 一方でグラードバッハ上層部は、長期にわたりエベールSDの慰留に努めてきた。「全力を尽くしたんだ。だが成功することはできなかった」と、ケーニヒ会長。木曜日に「最終的な話し合い」が行われ、そこで退任することが確定。「我々はあくまで尊重することにした。決して受け入れたというわけではない」と強調した。エベールSDも「クラブは慰留のためにあらゆる手を尽くしてくれた。全ての扉を開き、時間と安らぎを得るためにいろんな機会を与えてくれた」と感謝しつつ、「でもここで一線を引かなくてはならない。クラブを後にしなくてはいけないんだ」と言葉を続けている。

 ただこれによりボルシア・メンヒェングラードバッハは、カリスマ的な存在を失い、2011年以来となる2部降格の危機へと対処することを余儀なくされた。当然ながらエベールSDもこの退任の時期がクラブにとってどう意味を為し、いかに悪いものであるかは誰よりも理解しているという。だからこそ上層部はせめて今季いっぱいまでの続投を願ったが叶うことはなかった。

 名門ボルシア・メンヒェングラードバッハにおいて、マックス・エベールSDの時代はルネッサンスだ。素晴らしい選手たちの活躍と、残留争いからチャンピオンズリーグ常連への飛躍ぶりは、何よりもエベールSDによる卓越した専門知識があってこそ。そして現在の本拠地ボルシアパークにおける、近代的なスタジアム寄宿学校も、クラブ所有のホテルも、これらの功績は全てエベールSDの手腕によるものであり、まさに記念碑を立てるにふさわしいものだともいえる。

 ただその一方で、この1年はその手腕にかげりがみえはじめていた。マルコ・ローゼ監督への頑ななこだわりは混乱を招き、最終的に欧州リーグ出場とコロナ禍における貴重な収入源を失う結果に。加えてハネス・ヴォルフに投じた1100万ユーロなど、チーム作りもうまくいかないところが発生。1年前からの不振はいまだ脱せず、現在は10年ぶりに残留争いへと突入しており、加えてデニス・ザカリア、マティアス・ギンターなど、貴重な主力選手が契約最終年度の冬になり延長を見送ることを明らかにしている。


 果たしてこれからエベールSDはどう過ごしていくのか?今はひとまずサッカーから離れ、平穏な日々を過ごし、充電をはかっていきたいという。確かにエベールSDに興味深いオファーが届いているという噂もあるが、kickerが得た情報ではそのうち、ライプツィヒについてはエベール氏とは別の形を考えている模様。実際にエベール氏は、今回の決断には他クラブへの移籍はないことを強調しており、「移籍をしたいからだと思っているなら、それは忘れていただきたい。私は一度、とにかく離れたいんだ」とコメント。

 またグラードバッハとの間で結ばれていた2026年までの契約については、この日に特に語られることはなかったのだが、kickerが得た情報によればあくまで中断されているにすぎず、仮に別のクラブがこの期間のうちに招聘をはかるならば、グラードバッハとの移籍金交渉へと臨まなくてはならない。一方でエベールSDの穴埋めとしては、ひとまず移籍に関する決定権をもっていたエベールSDの右腕、スカウト担当のシュテッフェン・コレル氏が務めることに。前述のギンターやザカリアをはじめ、テュラム、ベンセバイニ、プレアなど、さっそく様々な課題に対処することになる。

 ただその一方でコレル氏は、あくまで自身をチームのプランナーとみていることから、kickerの情報によれば同氏はクラブ上層部へ長期的な別の解決方法を要求。そのため外部の人材へと目を向けているが、ただ以前に噂があがっていたルーヴェン・シュレーダー氏は、FCシャルケ04の立て直しプロジェクトへと邁進していきたい考えのようで、またVfBシュトゥットガルトのスウェン・ミスリンタトSDも残留を考えている模様。またかつて監督としてチームを成功の導き、現在はブンデス2部1.FCニュルンベルクにてSDを務めている、ディーター・ヘッキング氏も候補の中にはいない。
 


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