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2019年12月07日

痛み分けにも異なる理由で互いに悔しい、フランクフルトとヘルタ

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 今週金曜日に行われたブンデスリーガ第14節の幕開けを告げる、アイントラハト・フランクフルトvsヘルタ・ベルリン戦。特にフランクフルトにとっては3連敗中ということもあり、本拠地コメルツバンク・アレナでの巻き返しを期して臨んだ試合だったのだが、しかしながら先制点を奪い前半を折り返したのは、監督交代撃が行われたかりのヘルタ・ベルリンだった。

 試合後、ダヴィー・ゼルケは「前半は本当に僕たちの強さが見て取れたね」と胸を張り、「全力を尽くしていた」とコメント。クリンスマン新監督について「とてもモチベーションを上げてくれるし良いアプローチをしてくれる。チームがいかによくなっているかは見て取れたことだろう」と言葉を続けた。

 この試合でむしろ多くの得点チャンスを得ていたのはホームのフランクフルトの方だった。セバスチャン・ローデが「かなり多くのチャンスを得ていたというのに、ヘルタはたぶん2・3度の得点チャンスで2点を決めてしまったよ。うちは最後まできっちり仕留めることができなかった」と語ったように、ヘルタは前半30分にルケバキオが、後半63分にはグルイッチが得点を決めて2−0に。

 しかし「そんな中でも決して頭を下げてはいけない。勝利への気持ちを失わないようにしなくては。重要だったのは、比較的早く1点差を返せたということだね」とアディ・ヒュッター監督が語ったように、フランクフルトは前述のヒンターエッガーの今季5得点目で1点差に、そして途中出場のローデのゴールで同点に持ち込むことに成功。


 「3連敗中というなかで、0−2とリードを奪われては、苦しい戦いになってしまうものだ」と語った指揮官は、「確かに結果は満足のいくものではないが、ただ私はパフォーマンス自体をしっかりと見ている」と強調。「あまりに安易な失点」を許し、「確かに不運なところもあったが、運を手繰り寄せられないという所もある」中で、1ヶ月以上にわたりFWが無得点に終わる中で、「なんとか得点を返せた」こと、そして「敗戦していたら木曜の試合に重圧がかかっていた」ことを回避し、「気迫」をもって戦いつづけた選手たちを労った。

 ヒンターエッガーも、ピッチコンディションの悪さからコンビネーションサッカーの展開が難しかったとしながらも「言い訳にはならいないけどね」と強調しており、「僕がよかったと思うのは、チーム全体が戦いを挑んでいたということだ」とコメント。「得点は時間の問題だと思っていた」と明かし、「素晴らしいカムバックを果たした。戦う姿は素晴らしいものがあったと思うし、全体的に振り返れば勝利を納めて然るべきだったようにさえ感じるよ」と語って、同点弾を決めたローデはむしろ「今日は失望すべき」との考えも述べている。

 なおピッチ以外での問題点としては、ヨーロッパリーグ予選から出場するフランクフルトが、ヘルタよりも「すでに10〜12試合は多くプレーしている」(ヒュッター監督)ことが挙げられるだろうが、ただこのことについては「フィジカルパフォーマンスに目を向けた場合、特に私には不安も危機感もない。選手たちからはそこまで疲労感は見受けられない」との見方を示した。

 ただフランクフルトとしては、鎌田大地のゴールがVARの判断の末に覆るなど、審判によるジャッジにも泣かされたところもあるが、このことについてヒュッター監督は「今日は主審については決して、良いパフォーマンスを目にしたとは言えないと思う。仮に決定期のところに関しては、正しい判断だったとしてもね」とコメント。


 指揮官が例に挙げたのは、むしろ前半52分にトゥーレが受けた警告にあり、「あれだけ明らかにボールに向かって行ったというのに、それで警告を受けてしまうというのは、正直いって私の人生の中でもはじめてのことだったよ。この批判の声は、ぜひしっかりと彼には受け止めてもらいたい」と苦言を呈している。
 
 一方でヘルタ・ベルリンにてこの試合主将を務めたニクラス・シュタークは、この日にみせたヘルタのオフェンス陣のパフォーマンスに「誇りだ」と賛辞をおくり、2点差を守りきれなかったことに「少し失望も感じ」つつ、まずは「相手にとってやりにくい戦いをする」ことを達成できたことを評価し、「これができて、それからプレーの面にも取り組んでいけるものだ」と前を向いた。

 ユルゲン・クリンスマン監督、試合について「スリリングな試合展開だったし、2−0とリードを奪っていれば、できれば勝ち点3も得たいと思うものだが、しかしドローという結果は見合ったものだとも言えるだろう。フランクフルトは特に後半で物凄いプレッシャーをかけていたし、我々にとってはこれも1つの前進だ」と語っている。「今の我々はまだ、1つのプロセスの中にあるのだよ」
 


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