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2020年02月05日

シャルケファンが差別行為、激昂のトルナリガ退場、そして逆転負け

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 火曜日に行われたドイツ杯16強、FCシャルケ04vsヘルタ・ベルリンとの一戦では、延長120分の末に2点差を巻き返したシャルケが勝利をおさめたものの、しかしながら一部のシャルケファンによる人種差別行為が、試合に大きく影を落とす結果となってしまった。

 「トルナリガの心は傷つけられた・・・」試合後、ヘルタのユルゲン・クリンスマン監督は語った。「審判団には、彼を擁護するように訴えていたのだが」なおドイツ代表ニクラス・シュタークによれば、「猿の泣き真似」があり「観客席からは人種差別行為が行われていた。ジョーダンは感情的な選手だ。あんな事があれば、僕だって冷静さを失ってしまうことだろう。人として、決してあってはならないことなんだ。」と言葉を続けている。

 この試合では、アウェイのヘルタが2点をリードし前半を折り返していたが、一部のシャルケファンによるそういった行為は、後半に見られていたとのことで、ヘルタによれば主審のハーム・オスマース氏に対し、延長に入る際にこのことを伝えていたという。

 クラブ公式にて、シュタークは「見過ごすことなどできない。90分を終え、延長に入るその直前に、一体トルナリガがどういった状況に置かれていたのか。彼がどれほどの苦しみを被っていたのか。僕たちチーム、そしてクラブ全体、本来ブンデス全体として彼を支えなくてはいけないんだ!こういった行為に明確に距離を置く、明確な姿勢を示さなくては」と語った。

 シャルケの競技部門役員、ヨッヘン・シュナイダー氏はトルナリガに対し謝罪を述べると同時に、「こんな馬鹿げたことをするなんて、全くもって理解に苦しむ」とコメント、「我々はこの首謀者を徹底的に洗い出す。そして見出した後は、然るべき対応をとる」と、断固たる姿勢を強調している。


 またこの試合で決勝弾を決めたラマンは、トルナリガが「ピッチで涙を浮かべていた。そしてもうこの場を去りたいと。でも僕は彼を勇気づけて、戦い続けるべきだと声をかけたんだよ」と説明。しかし明らかに冷静さを欠いていたトルナリガは、延長100分にピッチ脇でタックルに行った際、シャルケのベンチにあった飲み物のケースを両手に持ち、苛立ちから地面に叩きつけることに。

 マスカレルへのファウル、さらにこの行動に対して主審のハーム・オスマース氏は、2枚の警告を提示してトルナリガは即刻退場。そのトルナリガを軽く掴んでいたとして、VARの判断の末にシャルケのワグナー監督も退場処分となったが、試合後にはあれは、トルナリガを支えるために掴んだ行為だったと明かした。なお最終的に数的有利となったシャルケは、115分にラマンの決勝ゴールで8強進出を果たしている。

 「差別行為は直接耳にしていたわけではないが、しかしシャルケの名の下、謝罪したい」と語ったワグナー監督は、それと同時に即座の対応を求めており「イングランドではすぐに取り押さえられ、その場を後にしなくてはならないものだ」と言葉を続けた。なおワグナー監督は、2015年から2019年までハダースフィールドにて監督を務めた経験をもつ。

 
 なおドイツサッカー連盟はSIDからの質問に対して、今回の件に関し調査を行っていることを明かし、さらにジョーダン・トルナリガに対して意見陳述を求めていることも認めた。おそらくはトルナリガに対してのみならず、シャルケ側に対しても同様に意見陳述が求められることになるだろう。
 


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