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2020年05月05日

ブンデス再開にも影響?カルーのライブ動画問題で大揺れ

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 サロモン・カルーがフェイスブックにて行ったライブ動画へと映し出されていたもの、それはチームメイトやコーチらと共にガッチリと握手を交わす姿であり、ドイツサッカーリーグ機構のみならず所属するヘルタ・ベルリンもこの様子に激昂。カルーに対して即座に、練習、そして試合からも参加停止とすることを発表した。

 34才のベテランFWは、携帯電話にてライブ動画を配信。そこでアスレティック・コーチのヘンリク・クフノ氏やチームメイトらとがっちり握手を交わす様子のみならず、医師よりコロナ検査を受けるジョーダン・トルナリガの様子さえも、ライブ中継してしまったのだ。

 「サロモン・カルーがロッカールームの様子を動画撮影していたことは、そもそも規律違反に相当する」と、ヘルタ・ベルリンは今回の処分について発表。さらにマネージャーを務めるミヒャエル・プレーツ氏は「今回のビデオによってヘルタ・ベルリンへ大きな傷をつけただけでなく、社会的議論となっているリーグ戦再開に向けて、プロ選手がコロナについて真摯に受け止めていないかのような印象を与えてしまった」と糾弾。特に「これほど貢献してくれた、経験豊富な選手」による愚行に失意を露にしており、「だがこれほどの不正行為に対しては一貫した対応が求められる」とも強調している。

 そのヘルタの発表以前に、すでにドイツサッカーリーグ機構ではこの件についての見解が示されており、ロッカールームからの映像については「明らかに受け入れられるものではない」とツイッターにて投稿。断固とした対応を求めると共に、「これまで真摯に取り組んできたクラブや選手たちに対して、決して許されるようなものではない」と、厳しい言葉を続けた。

 2012年にチェルシーにてCL優勝を達成し、2014年から在籍するヘルタ・ベルリンではこれまで、ブンデス1部151試合に出場(48得点)してきた同選手は、これによりクラブから練習、試合からも追放処分を受けることになり、特に今季はこれといった役割を得られず(5試合の出場)、契約も今季いっぱいまで残しているとから、このままヘルタのユニフォームを着てプレーする姿を目にすることはないだろう。

 そのカルーは、今回の件を受けて「もしも僕がとった行動によって、コロナについて真摯に受け止めていないかのような印象を与えてしまったのであれば申し訳なく思う」と述べ、さらにコートジボワール代表として97試合に出場した経験ももつストライカーは「このことについて謝罪をしたい。僕としてはむしろ逆で、ドイツのようにメディカルケアを受けられないアフリカの人々の事を思いとても心配しているんだ」と強調。

 「あまりしっかりと考えていなかったところがあると思うし、僕たちで行われた検査の結果がみんなネガティブであったことを喜ばしく思っていたんだ」と説明、「そしてあのビデオに映っていた、中継されることを思ってもいなかった人たちに対しても謝罪したい。」と反省の弁を口にしている。

 一方でヘルタ側では、「誤った行動に対して、他のチームメイトからカルーへ特に注意をする事なく、むしろ握手などを行っていた」ことも問題視しており、「つまりこのことは、感染予防のための距離を置く事や衛生面についてより厳しく対応を行っていかなくてはならないことを示している」と指摘。

 さらに今回のビデオにおいては、ヘルタの選手たちがサラリーの一部を返上したことについての、選手同士の会話も伝えられており、そのなかで「高額すぎる」との発言もあったのだが、このことについてはヘルタ側は「誤ってクラブ側が、本来よりも多く減額してしまったことについての話」との説明を行った。

ドイツ保健相からは評価

 なおイェンス・シュパーン連邦保健相は、ドイツサッカーリーグ機構が掲げる衛生コンセプト自体については疑念を抱いていないことを強調しており、「基本的に理にかなったコンセプトであり、他競技の模範にもなりうるもの」と、火曜朝にラジオ局”Deutschlandfunk”に説明。だがそれは活用されてはじめて効果を為すものでもあり、改めてヘルタがとった対応の重要性も説いた。
 


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