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2020年10月21日

クロップ監督、久々に噛みつく「あなたはジャーナリストなのか?」

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 オランダのメディア関係者がとある質問をした時から、ユルゲン・クロップ監督は既に苛立ちを見せていた。「明日は、ティアゴとファン・ダイクなしで、勝機はあると思いますか?」

 これに呆れた表情で頭を抱え「おいおい」と漏らした指揮官は、「あたなはジャーナリストですか?」と逆に質問。そして首を振り「あなたのような人たちは、我々が何をしているのかという事に興味がなく、ただ面白いことだけを追求していらっしゃる」と苦言。だがクロップ監督の思考は、それとは真逆のものなのだ。

 少なくともそのことは今回のアムステルダムでの会見の席にて、改めて明確に表現し続けていった。世界を代表するクロップ監督が、ここまで噛みつく記者会見を行うことは、いつ以来のことか。このような構造が生まれた背景にあるのは、なんと言っても週末に行われたエヴァートン戦でのラフプレー。相手GKピックフォードにより負傷を受けたファン・ダイクが、これから手術を余儀なくされ長期離脱に入る事が伝えられたことにある。

 リヴァプールは現在、新しいディフェンダーを模索しているのでしょうか?この最初の質問が投げかけられたときから、クロップ監督の神経はすでに逆撫でされていた。「私たちは、それぞれに異なる問題というものをいくつか抱えている」と答えた同氏は、「そのうちの1つは、貴方が簡単な仕事しかしていないということです。つまり、我々に対してや、何に対してもただ口を挟むということだね」とコメント。

 今季リヴァプールではファン・ダイク、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティプの3人のセンターバック陣で開幕を迎えており、実際にこれまでにもこの布陣によって多くの成功をおさめてきたものだ。「通常であれば、それで十分なはずだよ」そう語ったクロップ監督は、「もしも今夏の移籍市場における我々の動きにケチをつける人がいるならば・・・、ジェミー・キャラガー氏がそうだったっけ」と、リヴァプールのレジェンドでTV解説者を務める同氏の名前を挙げつつ、「何故、彼らが私のように監督ではなく、別の仕事に就いているのか。それにはそれなりの、理由があるということさ」と言葉を続けた。

 確かにファン・ダイクの離脱ということ自体は、メディアのみならず、FCリヴァプールにとっても最大の関心事であることに代わりはない。何故ならば「彼はどこでも、ピッチ上でコーチングしているのだから」と、同僚のジョルジニオ・ワイナルドゥム。クロップ監督も「そういう選手なんだ。まさにリーダーだよ」と、副主将を担う世界トップクラスのDFを評し、「あの日の土曜日にちゃんと寝れた選手なんていないのではないか」とも語っている。

 とりわけピックフォードのプレーは「悪質」で「決して受け入れられるものではない」ものであり、「処分を受けなかったことは事態を悪化させるものだ」と、ワイナルドゥムは強調。そしてこの試合ではさらにティアゴも、リチャールリソンによるファウルを受ける形で、同じく離脱を余儀なくされることになった。

 「この二人だけ、ファン・ダイクとティアゴが辛い目に合い、それ以外はそのままいつも通り続いていく。これはどうだろう」と批判。ビデオ判定審判員さえも介入しなかったことに「ルールを忘れてしまったのではないか」と述べ、「我々はこの4年間、フェアプレーランキングでトップに立ってきた。だがそれでは何にも得はしないということ。実際に、それはよく冗談で言われることではあるけどね」と付け加えている。「我々はそういうことをしなくても、やっていけるということを示したばかりだったのだが」
 
 つまりはリヴァプールにとっても、質問を投げかけたメディアと同じくファン・ダイクの動向が気になっているということ。ただ両者との間における大きな違いは、その視線が未来へと向けられているのか、それともただ過去をほじくり返すことでしかないもののなのか。その建設性の度合いに因るものであろう。「おーい、誰か、明日の試合について興味あるひとー?」と声をかけたクロップ監督

 それもそのはずだ。何故ならば、ジョエル・マティプもまた、負傷を抱えているためにこの試合では欠場を余儀なくされるのだから。加えて守護神アリソンも同様に離脱中にある。それでもクロップ監督は「私は既存の戦力たちのことを気に入っている」と、あくまで前を向いており、「それは私だけなのかもしれんがね。私は気に入っている」と語った。
 


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