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コラムソース: |  2022年05月27日

”金満”ライプツィヒ?成功理由は持続性とクレバーな投資

RB Leipzig
RBライプツィヒ
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 クラブ史上初となるタイトル獲得の場は、RBライプツィヒにとってサッカーよりも大切なものがあると、改めて思い知る光景となった。ちょうど表彰式の様子を撮影しようと準備していた人物が倒れ、数分間サイドラインにて応急処置を受けた後に、救急車で搬送される事態が発生したのである。その光景は昨夏ユーロ2020でみられた、エリクセンの心停止を思い起こさせるものだった。なおその後のスタジアムの広報から状態が安定しているとの発表がなされ、それから改めて主将ペーター・グラーチが待望の優勝杯を天高く掲げている。

 確かにこれまで2019年、そして2021年と、決勝の舞台で敗れたそのトラウマは、今回のSCフライブルク戦でも痛いほど頭を過ぎる試合展開となった。後半57分にマルセル・ハルステンベルクが、意図的にファウルをおかしたとして一発退場。それでも延長戦を含め最後まで戦いぬき、そしてもつれこませたPK戦では同じく初タイトルに燃えていたフライブルクをドイツ中小クラブの雄を相手に優勝をおさめている。その様子は別の見方をするならば、新興勢力がレッドブルという巨大企業の後押しを受けることで、伝統や競技面の平等、共同決定などを支持する人は「我々のサッカー」の衰退とみて悔しさを募らせていたかもしれない。

 だが確かにドイツサッカーでは過去に類を見ない贅沢なクラブのスタートを迎えていたとはいえ、ライプツィヒの首脳陣がみせていたものは、伸び代のある若手選手を獲得し、あくまで育成していくというその哲学に沿っていって、ほぼ全てにおいてクレバーかつ持続的に資本を投資していった、むしろそういったことの何よりもの証明だったことから、目を背けるべきではない。

 その典型的な例こそ、パリ・サンジェルマンから3年前に1300万ユーロを投じて獲得し、今季大いにその市場価値を高めたクリストファー・エンクンクだろう。そしてベテラン勢に目を向けてもグラーチ、クロスターマン、オルバン、ハルステンベルク、フォルスベリといった2部からプレーする選手たちは、7年経った今も主力を担う継続性をみせているのだ。ベンチ入りしていたユスフ・ポウルセンも、同じく長年に渡り主力を担ってきた選手の1人である。

 そしてフライブルクとしても、確かにこの試合では3度ポストに阻まれる不運もあったが、ただ非常に良いスタートを切り、そして長時間に渡り数的有利にありながらも、それらのチャンスを一貫して活かしきれなかったことから、目を背けるべきではない。
 


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