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2021年04月27日

降格候補から7連勝、バイエルンをも撃破したマインツ急浮上の理由

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 就任直後は負けが込んだものの2月以降は7勝3分1敗。自動降格圏内17位につけていたのはいまや昔となり、12位にまでジャンプアップをみせた1.FSVマインツ05のボー・スウェンソン監督。とりわけその勢いは、バイエルン・ミュンヘンの9連覇確定を阻むほどのものであり、実は後半戦だけの順表でみると5位につけるほどのV字転換をみせているところ。いったい何がそこまでの変化を、この短期間で生み出したのか?

 まず1つの要因として挙げられるのが、長年に渡りマインツの取締役を務めていたクリスチャン・ハイデル氏が復帰したことにより、クラブに落ち着きがもたらされたという点だろう。それでもなんといっても無視できないのは、ボー・スウェンソン新監督がみせている手腕。決して大ナタを振るうような事はせず、むしろ微調整を重ねていきながら徐々に方向転換。

 例えばそれは冬の移籍市場でも見受けられるものであり、マテタとアーロンを間引きして、ダ・コスタ、コール、グラッツェルとピンポイントに補強。ディフェンス面に機能的なストラクチャーを作り上げていった。結果は数字の面でも見てとることができる。後半戦13試合での失点数はわずか13。これはライプツィヒの11に続くリーグ2タイの少なさを誇るもの。逆に前半戦ではこの時点での失点数は26であり、ちょうど2倍の失点を許している。

 この安定化へと貢献しているのが、マインツの3バック。特に中心に入るシュテファン・ベルは、前任者たちからは4バックに必要なスピードの不足から重用されていなかったのものの、スウェンソン監督は空中戦での強さと指導力を高く評価。それをカバーするため3バックを採用した。これが高いポテンシャルはあっても安定感に欠けていた、ニャカテやシン・ジュステにとって功を奏する結果となっており、ベルの指導力はまさに相乗効果をもたらしているところ。

 また相乗効果といえば、マインツではベンチスタートの選手たちや、先発から外れた選手たちの士気も高いなど、チーム全体に覇気がみなぎっており、それに貢献しているのがババク・キーハンファーAC。確かにスウェンソン監督もフレンドリーなタイプであるが、威厳を保つという意味で距離感が求められる。そこで登場するのがキーハンファーAC。その卓越したそのコミュニケーション能力は、スウェンソン監督が初監督を務めたオーストリア2部リーファリング時代でも確認されており、招聘まで5勝5分6敗という成績ながら、招聘後は10勝3分1敗とまさに今回のようなV字転換へとつなげて見せた。
 


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