ドイツ最大のサッカー専門誌 - kicker日本語版

2018年08月28日

ブンデス開幕戦で改めて露呈されたVARに対する疑問

FC Schalke 04
FCシャルケ04
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


 先週金曜日から2018/19シーズンの幕が開けたブンデスリーガ。しかしながら審判員らにとって、これほどまで辛い出だしというものもなかっただろう。この日行われたバイエルンvsホッフェンハイム戦で主審を務めたバスティアン・ダンカート審判員は、バイエルンの本拠地アリアンツ・アレナにてまさに嵐のような試合を経験することになった。謎のPK、トーマス・ミュラーのゴールの撤回・・・、この試合で怒りを覚えていたのは試合後にコメントを発したホッフェンハイムのアレクサンダー・ローゼンSDだけではなかった。

 そしてその翌日に行われたベルリンvsニュルンベルクやヴォルフスブルクvsシャルケでも状況が好転することはなく、特にヴォルフスブルク戦では主審を務めたパトリック・イットリヒ審判員は後半であまりコントロールできなくなり、ナスタッチに対して本来イエローであるところをレッド、逆にヴェクホルストに対して本来レッドであるところをイエローを提示し、その後にシャルケのドメニコ・テデスコ監督と言い争う場面も見受けられている。

 元ブンデスリーガの審判員で、新たにVARプロジェクトを担っているヨッヘン・ドレース氏は、週末に起こったことへの反省を口にした。「うまくいかない場面が多く見受けられました。ヴォルフスブルクでの試合では、当初の判断の方が個人的には正しく、理にかなったものだったと思います。しかしそれでも修正を行うことになったイットリヒ審判員に同情します。ビデオで確認するならば、彼の心も痛むことでしょう」

 そこに介入したのがVARだった。「おそらくはミスをおかしてしまったのではないか、という恐れを感じてしまったのでしょう。二つの場面についてしっかりと対処できていなかったのではないかと。ただこれはビデオ判定審判員どうこうということではなく、あくまで主審が最終判断を下したものです。」

 だが今回の件で疑問の声があがっているのは、何もVARによる判断だけではない。そのプロセスにおける不透明さについて、ブレーメンでマネージャーを務めるフランク・バウマン氏は「時にはVARからの連絡が入り、時にはピッチから主審から質問を行う。それからビデオの画面を見に行くのだが、しかし彼らがみている画面というのものが、いったいどういうものなのか?角度はどうなのか?このことが非常に問題であるように思う。主審の判断が基本的には重んじられるべきであり、VARは明らかなミスジャッジの時のみ連絡を送るはずだが、これまで抱いていた疑問を改めて確信したことになったよ」と語っている。

 そこでの抱く考えとは、今夏にロシアで行われたワールドカップのように、スタジアムにいるファンたちもその場面を確認できるようにし、なぜ主審がそのような判断を下したのか、何をみているのかをしっかりとみれるようにすることだ。しかしドレース氏は、それはあくまで限られた範囲でのみ適応されるとの見方を示した。「もっとうまく情報が伝わるようにしていきたいと思います。ただそれは技術的な問題だけで解決するものではないのです。例えばスタジアムのスクリーンのクオリティという問題があります。これからも改善はしていきたいと思いますし、目的としてはファンに伝えることですが、しかしそのためには内部的な問題があり、内部での理解が必要となってくるのです」
 


  • ブンデスリーガ・各チーム情報