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2018年10月20日

kicker誌チーフ論評:バイエルンが見せた、らしくない脆弱性

FC Bayern München
バイエルン・ミュンヘン
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 ブンデスリーガは盛り上がりをみせ、バイエルンが不安に駆られる、そして世間はこれを笑顔を浮かべてみる。確かにブンデスリーガは世界最高のリーグではないかもしれないが、現在はヨーロッパで1番話題に事欠かないリーグだといえるだろう。その盛り上げる要因となっているのがバイエルンの首脳陣、カール=ハインツ・ルメニゲ代表とウリ・ヘーネス会長だ。金曜日に行われたプレスカンファレンスは、終了と同時にまさに殿堂入りを果たしたともいえるほどのものだった。しかし一体なぜ、今になってこんなことになってしまったのか?

 確かに”偉大なFCバイエルンとその首脳陣たち”には、客観的ではない誤った報道に対して異議を申し立ている権利はある。まずなかなか防ぐことができない情報の漏洩も1つのポイントであり、報道内容に誤りがあるならばそれに法的手段で訴えるももう1つのポイントだ。これまでにバイエルンは実際にそうしてきており、そうしようとしてきたケースもあった。ただルメニゲ代表が「基本的人権の尊重」として指摘した基本法の中には、メディアへの報道の自由という項目もあり、自由が認められているとはいえ法的規制もかけられていることもまた確かなことだ。

 バイエルンはこれまで長年にわたって、メディアから強い批判を受けたとしても、それをあくまで自らが上の立場として反論を展開。あくまで主導権を握り続けてきたクラブだ。そんな感情的ながらも、クレバーに対応してきたバイエルンの時代は、どうやら終焉を迎えつつある。少なくとも金曜日の会見の席では、それは見受けられることはなかった。

  競技面ではうまくいかないことが幾重にも重なり、順位表は6位。ただこのレベルでの戦いは、ニコ・コヴァチ新監督にとっては新しい世界だった、世間の声から保護しなくてはならないほどに。そして今はバイエルンは、これまでになかったほどに追い込まれている。周囲が思っているよりも、バイエルンの傷は深いようだ。これほどまで敏感になった巨象をみれば、出される結論は1つしかない。バイエルンの危機感は、あまりにも大きいうということ、これほどまで愚かな行為にでてしまうほどに。

 確かにルメニゲ代表がノイアーらを保護したいと考えることは理解できる。そしてヘーネス会長はメスト・エジルやカリム・ベララビについては、今回ではそこまで厳しい口調ではなかった点は評価できるものなのかもしれない。今はただ結果的に、ヘーネス会長とルメニゲ代表が攻撃を試みた先が、本来目指していた先ではなく結局はオウンゴールになってしまったこと。もうそこには品格などない。今はバイエルンの選手や監督、そしてSDや首脳陣たちにまで、さらに重くプレッシャーのしてのしかかってきている。
 
 
文:ヨルグ・ヤコブス(チーフ:kicker誌)


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